攻撃の起点となり活躍した河井
攻撃の起点となり活躍した河井

震災の影響で延期となっていた第85回関東大学サッカーリーグ戦が先月3日に開幕した。慶大は初戦で昨年度王者の明大を破り、続く流経大戦でもロスタイムに追いつき、一時は首位に立った。その後の2試合では1勝1敗としたが、上々の開幕スタートを切った。     (野々山智文・塚本雅章)

明大戦 王者に完勝 初戦を飾る

【慶大2-0明大】 須田新監督率いる慶大ソッカー部の開幕戦となった明大戦は2―0で慶大が完勝し、見事に初陣を飾った。

慶大は序盤から試合のペースを握り、目指すパスサッカーを展開しながら自分達のリズムを作っていく。そして前半27分、MF河井(政4)のフリーキックから主将のDF笠松(総4)が頭で落としたボールをFW風間(商4)がボレーシュート。再三いい動きを見せていた風間の右足から先制点が生まれる。

その後は相手に攻め込まれる場面が続くが、GKの中川(環4)を中心に守り抜き、リードしたまま前半を折り返す。

迎えた後半の8分。カウンターの攻撃が実を結ぶ。明大からボールを奪った風間がドリブルで運び、そのままシュート。キーパーに止められたが、こぼれ球を河井が流し込み追加点を挙げた。

その後、相手の怒涛の攻撃を全員ディフェンスで防いだ慶大が昨季の王者から貴重な開幕戦勝利を勝ち取った。

須田監督は「相手はチャンピオンなので、とにかく我々のサッカーを心がけて、攻めの気持ちを忘れないように戦った。今日は内容も良かったし、お互いに良いゲームができたのでは」と試合を振り返った。

流経大戦 ロスタイム弾で勝ち点1を拾う

【慶大1-1流経大】

昨年の王者である明大との開幕戦に完勝して迎えた第2節の流経大戦は、土壇場で慶大が粘りを見せて1―1の引き分けに持ち込む結果となった。

前半は今季の目標でもある細かいパスを繋ぐ攻撃で得点を狙う慶大だが、代表クラスの選手を多く揃える流経大を相手になかなかリズムを作れず、0―0のまま前半を折り返す。

後半はMF日高(総4)がドリブルで何度も仕掛けるなど慶大のペースで進むかに見えたが、後半の23分。浮き球を処理しようとしたGKの中川(環4)がボールを後ろに逸らしてしまい、相手FWに先制点を決められてしまう。

失点した後はMF河井(政4)を起点にした攻撃でチャンスを作っていく。後半32分、日高のフリーキックは惜しくもクロスバーに弾かれたが、確実に慶大のペースで試合は進んでいく。

そして迎えた後半ロスタイム。パワープレーで前線に上がっていたDF黄(総4)が頭で落としたボールを日高、MF藤田(政3)と繋ぎ、前半途中に負傷したMF武藤(経1)に代わり出場していたMF森田(経3)が「チームのために何かしたかった」という、低く抑えた素晴らしいシュートを蹴り込み、何とか勝ち点1を手にした。

須田監督は「よく頑張ったと思う。この2試合で自信はついたが、勝ったり負けたりするのがサッカーだから、次の試合も内容のあるゲームをして、とにかく我々のサッカーをしたい」と次の試合に向けて気持ちを切り替えていた。