横浜アリーナの大舞台で大成功を収めたAgeStock
横浜アリーナの大舞台で大成功を収めたAgeStock
首都圏の40校近い大学を巻き込み、数々のイベントを企画してきた巨大インカレイベントサークルがある。それがAgeStock2011実行委員会(以下AgeStock)だ。代表を務める慶大生、高村啓太さん(法3)と、広報局長の冨岡亮介さん(経3)にお話をうかがった。
 AgeStockの理念は、イベントやフリーペーパーなどを通して社会に「学生の熱意は限りない可能性を持つことを証明する」学生団体であることだ。
 2006年の発足以来、有名アーティストやお笑い芸人のライブ、トークイベントなどを企画してきたAgeStockは、2009年には武道館、2010年には横浜アリーナという大舞台でのイベント開催を果たした。ほかにも、学生のチアリーディングやダンスなどのパフォーマンス、時には環境フォーラムまで、さまざまな切り口で学生の興味をかき立てる複合型イベントは大成功を収めた。
 メンバーは首都圏を中心とした大学生150人。イベント局・フリーペーパー局・メディア局・広報局・渉外局・総務局の6つのグループに分かれている。
 会場の確保から始まり、それと同時に企画立案、アーティストや各サークルとの交渉、企業からの資金調達、AgeStockの広報活動・イベント自体の宣伝、4月と10月に出すフリーペーパーの準備といった、11月頃のイベント開催までのプロセスをそれぞれのグループで分担している。
 多くの学生に来てもらえるようチケット代は3000円から5000円と安く設定していることもあり、資金は一般企業のスポンサー協力で成り立っている。「企業からは『学生だから』という理由で資金交渉に難航するといった苦労もあるが、学生だからこそできる面白い企画が出せればきちんと認めてもらえます」と高村さんは語る。
 また、規模の大きいインカレサークルとしての苦労もある。毎週土曜日に行なうミーティングは集まる場所も大変だ。現在は小田急線参宮橋駅近くの青少年オリンピックセンターを利用することが多いという。また、他大学との関わりが広くなる分、同じ大学の友人との関わりが少なくなってしまいがちにも。高村さんは「外の友達とのネットワークが広がると、学園祭などを見に行くことも楽しくなる。でも、身近な友人のこともきちんと大事にすることも大切」と話す。
 「2011年、AgeStockはこれまで通りの路線で行くこともできる。けれども、今度は規模の大きさだけでなく、新しい『可能性』を探し当て、社会や学生の期待を良い意味で裏切るような意外性を出すことが目標」と語る高村さんから、塾生へのメッセージをいただいた。
 「学校の中に納まらないでほしい。一歩外に出れば自分のちっぽけさを実感するし、その挫折から学ぶことも多い。塾生のなかには斜に構えて、就活を見据えて将来を見ている人が多すぎると思う。学生生活でやりたいことをやって得た経験が社会に出たときの糧になるし、熱意やビジョンがなければ動くことが出来ない。AgeStockがその助けになれたら嬉しい」。
 また新入生に冨岡さんは、「ちょっとでも『いいな』と思ってくれたらAgeStockに踏み込んでもらえたら嬉しい。最初は未知の世界で入りづらいかもしれない。それでも一歩を踏み出して頂けたなら、気持ちを揺さぶる自信はあります」。
 高村さんは「自分がAgeStockに入ったのは、イベントを見てこんなに凄いことを大学生が企画・実行しているのだったら、自分も何かできるかも、と思ったから。AgeStockがきっかけで自分の中にある可能性に気づいてもらえたら嬉しい。AgeStockは来るもの拒まず、去るものも追いたいくらい。エイジを利用して自分のやりたいようにやるぞ、という心を持ってほしい」と語った。       (天野葉子)