第86回天皇杯全日本総合バスケットボール選手権大会が今月2日、代々木第二体育館などで開幕した。慶大は2回戦で実業団チームのJR東日本秋田を大差で下すと、続く3回戦、プロリーグであるJBL(日本バスケットボールリーグ)の三菱電機と対決。大学チームのJBL撃破に期待がかかるも、プロの実力を前に完敗。3回戦敗退となった。 (井熊里木)
2回戦 速攻め貫き 30点差快勝
東北代表の実業団チーム、JR東日本秋田との一戦。序盤からトランジションゲームを展開した慶大が終始試合の流れを握り、103―71と30点以上の差をつけて東日本秋田を下した。
「自分たちのリズムで入れた」(二ノ宮・環4)と、慶大は出だしからランニングゲームで次々と点を重ねる。中島(総1)の連続3Pシュートも飛び出すなど、慶大は第1Qで27―13と大きくリードした。
第2Q、東日本秋田のミドルシュートが当たり始める。しかし、慶大は冷静に速攻のオフェンスを展開し応戦。二ノ宮が終盤に3Pシュートをねじ込み、53―27とリードを広げて前半を折り返す。
後半、外角からの単調な攻めを断ち切りたい東日本秋田は、インサイドからの攻めを試みる。しかし、この日15リバウンド4ブロックを叩き出した岩下(総4)がゴール下を死守。「最後の大会なので、強い気持ちをもって戦った」(岩下)
第4Q、この日チームハイの21得点を挙げた家治(環3)のミドルシュートが立て続けに決まると、慶大のアーリーオフェンスにさらに拍車がかかる。
中島、酒井(環4)のタフショットなどで終盤も攻撃の手を緩めなかった慶大。前半のリードをさらに広げ、103―71で東日本秋田に快勝した。
3回戦 鉄壁守備陣前に主導権握れず
JBL所属の三菱電機との戦い。序盤から攻守にわたり翻弄された慶大は、63―96で三菱電機に敗北を喫した。
慶大の前に立ちはだかったのは、プロの圧倒的なディフェンス力だった。「相手のフィジカルに対応できず、最初からディフェンスでやられた」(岩下)
一方の三菱電機は、五十嵐を起点に速攻で次々と加点。前半終了時には、27―56と、早くも三菱電機リードのダブルスコアがついた。
それでも、「JBLにどれだけ通用するか胸を借りるつもりでぶつかって行った」と岩下。積極的にゴール下に飛び込んだ岩下は、この日24得点12リバウンドと奮闘。
しかし、後半に入っても三菱電機は崩れない。三菱電機はメンバーチェンジを次々と行い、慶大ディフェンスを翻弄。第3Q終了時には、42―82と、慶大は三菱電機に40点差をつけられていた。
最終ピリオド。慶大は酒井のタフショット、二ノ宮のロングシュート、岩下のゴール下と、4年生トリオが最後の力を振り絞る。しかし、第3Qまでについた点差を覆すには至らない。
最後は三菱電機がきっちりとボールをキープし、慶大は63―96で三菱電機に敗北した。
この日の試合をもって、現4年生は正式に引退となる。1年生の頃から主力として活躍してきた4年生トリオは、それぞれ次のように最後のコメントを残した。
「信頼できる仲間と最後までプレイできて本当によかった」(二ノ宮)。「チーム皆が支えてくれたので、感謝の一言」(岩下)。「自分なりに4年間全力でやってきたので、悔いはない」(酒井)