映画プロデューサー 小川真司氏 (アスミックエース) 川村元気氏(東宝)
2010年も残り2カ月。今年の映画界で最も話題を集め衝撃を与えた作品といえば『告白』だろう。そして1年の締めに最大の待望作『ノルウェイの森』が公開される。
シネマ研究会主催三田祭講演会「映画プロデューサー、ここまでやってます。」(仮)で、これらの作品の名プロデューサーお二人が対談を行う。
公開を控える『ノルウェイの森』のプロデューサー・小川真司氏。『ピンポン』、『ジョゼと虎と魚たち』、『ハチミツとクローバー』などを手掛けてきた名プロデューサーである。
そして、『告白』、『悪人』のプロデューサー・川村元気氏。年齢はまだ若いものの、『電車男』、『デトロイド・メタル・シティ』といったヒット作を世に送り出してきた。
講演会に先駆け、お二人に学生時代から映画の魅力までを伺った。
* * *
─今回、三田祭でお話をされるということですが、お二人の学生時代はどのようなものでしたか。
川村「何か一つに打ち込むというより、何にでも興味を持つ学生でした。映画やバンドにのめりこみ、20カ国ほど一人旅をしていました。いま思えば『ノルウェイの森』のワタナベ気取りの学生だったのかも(笑)」
小川「大学生になって始めたことではありませんが、ひたすら映画館通い。早稲田ミステリークラブに所属し、8ミリで映像を撮ることもありましたが、その後に仲間と酒を飲むことが楽しかったです」
シネマ研究会主催三田祭講演会「映画プロデューサー、ここまでやってます。」(仮)で、これらの作品の名プロデューサーお二人が対談を行う。
公開を控える『ノルウェイの森』のプロデューサー・小川真司氏。『ピンポン』、『ジョゼと虎と魚たち』、『ハチミツとクローバー』などを手掛けてきた名プロデューサーである。
そして、『告白』、『悪人』のプロデューサー・川村元気氏。年齢はまだ若いものの、『電車男』、『デトロイド・メタル・シティ』といったヒット作を世に送り出してきた。
講演会に先駆け、お二人に学生時代から映画の魅力までを伺った。
* * *
─今回、三田祭でお話をされるということですが、お二人の学生時代はどのようなものでしたか。
川村「何か一つに打ち込むというより、何にでも興味を持つ学生でした。映画やバンドにのめりこみ、20カ国ほど一人旅をしていました。いま思えば『ノルウェイの森』のワタナベ気取りの学生だったのかも(笑)」
小川「大学生になって始めたことではありませんが、ひたすら映画館通い。早稲田ミステリークラブに所属し、8ミリで映像を撮ることもありましたが、その後に仲間と酒を飲むことが楽しかったです」
─小川さんが「大学生になって始めたことではない」とおしゃっていましたが、お二人が映画に興味を持たれたきっかけは。
小川「小さい頃から映画に親しんでいました。親の影響で、テレビで洋画を見て育ちました」
川村「私も親の影響が大きいです。初めての映画が3歳の時に観た『E.T.』でした。子供ながらに自転車のシーンで感動したのを覚えています」
小川「小さい頃から映画に親しんでいました。親の影響で、テレビで洋画を見て育ちました」
川村「私も親の影響が大きいです。初めての映画が3歳の時に観た『E.T.』でした。子供ながらに自転車のシーンで感動したのを覚えています」
─では、映画のプロデューサーになったのも自然な流れだったのでしょうか。
小川「アスミックエースに入社後、最初はTVゲームのプロデューサーを務めていました。スーパーファミコンが世に登場する1年前からです。映画プロデュースは『リング0~バースデイ~』がデビュー作です」
川村「学生時代に映画を撮っていましたが、演出よりも、企画や脚本に面白さを感じるようになって、プロデューサーの道を選びました」
小川「アスミックエースに入社後、最初はTVゲームのプロデューサーを務めていました。スーパーファミコンが世に登場する1年前からです。映画プロデュースは『リング0~バースデイ~』がデビュー作です」
川村「学生時代に映画を撮っていましたが、演出よりも、企画や脚本に面白さを感じるようになって、プロデューサーの道を選びました」
─映画プロデューサーという仕事の魅力は何ですか。
小川「総合的な立場でものづくりができること。作品をいろんな人に観てもらえることに、やはりやりがいを感じます」
川村「一つ目は、作家、漫画家、俳優、音楽家……オールジャンルのクリエイターと出会えること。二つ目は、自らが企画者であること。世の中を変える仕掛け人になれるかもしれませんからね」
小川「総合的な立場でものづくりができること。作品をいろんな人に観てもらえることに、やはりやりがいを感じます」
川村「一つ目は、作家、漫画家、俳優、音楽家……オールジャンルのクリエイターと出会えること。二つ目は、自らが企画者であること。世の中を変える仕掛け人になれるかもしれませんからね」
─「お二人が手掛ける、例えば『告白』や『ノルウェイの森』などには多くの原作ファンがいると思います。映画化する際にどういった思いを持っていますか。
小川「まず、原作に対するリスペクトを持つことが大切だと思います。その上で、映画としていかにちゃんとしたものにするか。そこはプロとして冷静に判断しながら作ります」
川村「小説と映画という異なる表現ではあっても、根底にあるテーマは共有したいと思っています。原作のハートを抱いて、映画なりの創造をしていくべきだと思います」
小川「まず、原作に対するリスペクトを持つことが大切だと思います。その上で、映画としていかにちゃんとしたものにするか。そこはプロとして冷静に判断しながら作ります」
川村「小説と映画という異なる表現ではあっても、根底にあるテーマは共有したいと思っています。原作のハートを抱いて、映画なりの創造をしていくべきだと思います」
─お二人はヒット作に恵まれているイメージがありますが。
小川「ヒットは結果でしかありません。作る過程には様々な苦労があり、一本一本それぞれがそれなりに大切です」
川村「映画制作は面白さと苦労が背中合わせの悲喜劇です。人と人との仕事なので、信頼関係をいかに積み重ねていけるかが重要ですね」
小川「映画づくりで決定的なのはヒューマンファクター。人と人が向き合うことでものごとが進んでいきます」
小川「ヒットは結果でしかありません。作る過程には様々な苦労があり、一本一本それぞれがそれなりに大切です」
川村「映画制作は面白さと苦労が背中合わせの悲喜劇です。人と人との仕事なので、信頼関係をいかに積み重ねていけるかが重要ですね」
小川「映画づくりで決定的なのはヒューマンファクター。人と人が向き合うことでものごとが進んでいきます」
─今後の展望を教えて頂けますか。
小川「目先のことであれば、『ノルウェイの森』のヒット。時代と逆行している話が今、世の中に受け入れられるかどうか楽しみです」
川村「『告白』、『悪人』でかなり悪意を吐き出してきましたが、『悪』はこれからも追求して、いつかは集大成を作りたいです。また、それとは別に大きな影響を受けた『E.T.』や『ドラえもん』のような子供が喜ぶ映画も作りたいですね」
小川「目先のことであれば、『ノルウェイの森』のヒット。時代と逆行している話が今、世の中に受け入れられるかどうか楽しみです」
川村「『告白』、『悪人』でかなり悪意を吐き出してきましたが、『悪』はこれからも追求して、いつかは集大成を作りたいです。また、それとは別に大きな影響を受けた『E.T.』や『ドラえもん』のような子供が喜ぶ映画も作りたいですね」
─今回三田祭で講演を行われますが、現代の大学生へ伝えたいことは。
小川「時代をつくるのは若者。上を見ながら、ほかと違うことにチェレンジしてほしい」
川村「メインがあってのサブカルチャー。メインを張る人を待望します」
小川「ワタナベは奔放に見えて、実は常に真剣に自分と向き合っている。現代の若者にもいてほしいです」
小川「時代をつくるのは若者。上を見ながら、ほかと違うことにチェレンジしてほしい」
川村「メインがあってのサブカルチャー。メインを張る人を待望します」
小川「ワタナベは奔放に見えて、実は常に真剣に自分と向き合っている。現代の若者にもいてほしいです」
─最後に、講演会へ向けて一言お願いします。
小川「私は早稲田卒なのでアウェーで恐縮ですが」
川村「傷つきやすいので居眠り、携帯いじりはやめてくださいね(笑)」
(聞き手=入澤綾子)
小川「私は早稲田卒なのでアウェーで恐縮ですが」
川村「傷つきやすいので居眠り、携帯いじりはやめてくださいね(笑)」
(聞き手=入澤綾子)