11月23日、日も沈み肌寒い時間にもかかわらず、三田祭メインステージの前には大勢の人だかりが出来ていた。三田祭3日目のメインステージのトリを飾ったのは去年と同じくdance crew esだった。彼らは慶應でも最大規模のダンスサークルの一つで、Hiphop、Vogue、Lock、Pop、Girls、Waack、House、Slow jazz、Breakの全部で9つのジャンルのダンスを踊り観客を魅了する。
大音量の音楽で始まると、スピーカーから出てくる音波が熱気と共に観客の体を揺らす。オープニングでは緑、茶色、黒、紫などの色を基調とした衣装で重低音に合わせて踊った。動きにくそうに見える革ジャンをものともしないメリハリのある動き。赤と白の衣装で女性たちが新体操のような柔らかいダンスを踊ることもあった。普通なら足が絡まり転んでしまいそうな手足を振り回す激しい踊りが始まり、時折ソロが挟まると一際大きな歓声が上がった。10人単位の集団が入れ替わりながら途切れることなく踊り続ける。曲が止んだと思ったすぐ後、胸元を覆うピンクのスパンコールが印象的な衣装とともにキレッキレなダンスをする。
このステージで目を引くのはかっこいいダンスだけではない。ダンサーの衣装も豪華な上に多様だった。男性の力強さと女性のしなやかさが味のHiphop、寝転んだり機械のように動いたりも魅力的だった。一際目を引いたのは、真っ白なスーツに身を包む集団がステージに静かに並んだ瞬間だ。衣装がクールなのはもちろん、スローとファストの動きを使い分け、ビートに合わせてピタッと動きが止まる姿や肩を震わせる動きをみていると鳥肌が立つ。第2部は金と銀の豪華なスパンコールが目立ち、ボディーラインを強調する衣装の女性たちによるセクシーな踊りから始まった。最後に近づくにつれ、まるでステージが終わるのを惜しむようにダンサーたちの顔つきや動きが仕上がっていく。
最後には今年度の代表者たちに花束が贈られ、悔いのない笑顔や感極まって涙するダンサーたちの姿が見えた。今年で20周年を迎えたdance crew esだが、これからもこの熱気を我々に届けてほしい。