日本の伝統芸能の稽古に励む留学生たち。慶大公認学生団体日本舞踊研究会宝は国際交流をしながら日本舞踊を学ぶサークルだ。これまで20カ国以上の留学生が所属。現在、留学生メンバーと日本人メンバー合わせて15人が所属している。藤間流師範の指導を受けながら、三田祭などでの演目の披露に向けて日々練習を重ねている。

別科・日本語研修課程に在籍する香港出身のルイサ・オウさんと台湾出身のツアイチュウジュンさん(以下キミさん)、代表の新坂恵理さんに話を聞いた。

 

「日本の伝統文化を学びたい」

ルイサさんは日本の伝統文化である日本舞踊を学びながら日本人と交流できると思い入会。キミさんは日本の大学のサークルを体験したくて、日本の歴史や文化を含んでいる日本舞踊のサークルに入ったという。

日本舞踊の魅力について「柔らかく見えても実はたくさんの力を使わなければならない」とルイサさん。軽やかに見える動きを、実際は細かい筋肉を使って表現しているそうだ。

 

舞踊ならではの伝統音楽に苦戦

日本舞踊は歌舞伎との共通点も多く、三味線などの和楽器を使用する。様々な日本の伝統芸術が混ざっているのが魅力的である一方、日本の伝統音楽は留学生が習得に苦戦するポイントでもあるという。

留学生にとって日本の伝統音楽は「メロディが聞きにくいし、テンポも理解しにくい」とキミさん。ルイサさんも「日本の伝統音楽は私にとって新しいもの。音楽に合わせて動くのがとても難しい」と語る。新坂さんによると、日本人なら皆お祭りで聞いたことのあるメロディも、外国の方は聞いたことがない。テンポがどこのタイミングでどう動くか習得するのに時間がかかるという。

 

活動の楽しみは日本人との交流や発表会

日本語を使って日本人と交流するのが楽しいというルイサさん。「日本語を一生懸命勉強しているのは日本の方と話すため。もっともっと上手なりたい」と意気込む。また、指導歴の長いベテランの先生に日本舞踊を教えてもらえることも魅力のひとつだという。

キミさんにとっての一番の楽しみは、踊りを発表する機会。今年は慶早レガッタの応援として墨田川沿いで「若き血」を日本舞踊で踊った。昨年参加した三田祭についても、「とても感動しました」。タイ、オーストラリア、アメリカなどの留学生や日本の学生と3カ月前から練習したそうだ。

「みんなと一緒に出演するのが大好きです!」

三田祭のミニステージ「関の小万」
興味のある方は体験稽古へ

日本舞踊をきちんと学びたい人も楽しく学びたい人も歓迎。日本語がわからなくても大丈夫、英語で教えてくれる。新坂さんは「日本人学生は海外の文化、語学、踊りが学べます。留学生とのダイナミックな群舞は魅力的です」。稽古は月2回、土曜日の夜間。体験稽古はDMか公式ラインへ

 

今村太亮