8月25日から9月9日にかけて行われた関東大学テニスリーグにて、慶大男子庭球部が関東優勝を飾った。慶大がリーグ戦で優勝を飾るのは46年ぶりだ。
春の早慶戦に続き、二冠を達成した慶大庭球部。当時の様子を、主将・藤原智也選手(環4)、副将・林航平選手(理4)、主務・神田喜慧選手(法4)にインタビューした(以下、敬称略)。
――関東大学テニスリーグはいかがでしたか。
藤原:優勝できて本当に嬉しかったです。春の早慶戦で優勝することができて、「今年の慶應はいけるんじゃないか」と自分たちも含め思っていて、周りの方からも多くの声援をいただいていたので、嬉しく思う反面、浮足立つ場面を危惧していました。しかしいざ始まってみると選手全員が一本を背負って戦い、お互いカバーしあい、チーム一丸となって戦うことができました。「今年の慶應はちゃんと強いんだ!」と証明できた良い大会になったのではないかと思います。
林:直前のインカレ(2023年度全日本学生テニス選手権大会)で慶大が勝ち進んでいたこともあり非常にプレッシャーを感じていたので、初優勝することができてホッとしました。また、今年はみんなで勝ったリーグだなという印象があります。特定の人だけでなく、みんなで勝利を重ねていくことができました。
神田:例年に比べて大きなハプニングなどはありませんでした。しかし、(第3戦の)法政戦で最後の一本にかかる、4-4の状態になった時はハラハラしました。ただ、そこを勝ち切れたことでその後の2試合に勢いをつけることができたと思っています。また、最終戦からOBの方からの期待や、周りからの視線を例年に比べて強く感じました。
――団体戦二冠をされたことで以前と変わったことがあれば教えてください。
藤原:良い意味で、自分があまり頑張らなくても良いのではないかと感じるようになりました。去年はやはり自分が頑張らなくてはならないとプレッシャーを感じる場面もあったのですが、今年は後輩や同期が頼もしくて、自分が主将として何かを言わずとも自分たちでやってくれるので期待しています。
神田:自分たちの代が始まってからずっと目標に掲げてきた「三冠をする」というところを一歩一歩達成できているので、自分たちが自分たちに期待できるようになりました。
――学業や就活との両立をするうえでなにか心掛けていたことはありますか。
林:自分で選んだ道という覚悟を常にもっていました。自分で選んだからにはやり切らないと、と思っています。そして、切り替えを意識していました。練習をするときは練習。1時間でも2時間でも、練習に来ているのであればそこに集中しきる。そういうところを大切にしています。
――以前早慶戦でご優勝された際にお話を聞き、庭球部の皆さんの絆や関係性が勝利に直結しているのではないかと感じました。そんな皆さんが良好な人間関係を築くために意識していることはありますか。
藤原:練習中に関われる人は限られてしまうので、オフの日を利用して関わる機会が少ない人ともコミュニケーションをとるようにしています。仲良い人だけで集まるのではなく、「全員で」、を意識しています。
林:思ったことはすべて言うようにしています。また自分も、この人の言葉なら聞き入れられるなと思ってもらえるように日々行動しています。なので、人になにかを言う際に恥ずかしくないような行動をするように意識しています。
神田:部員全員と話そうと意識しています。4年の幹事となると、どうしても距離が空いてしまうので、自分が目線を合わせ、立場関係なくいろいろな部員と話しています。
――最高のパフォーマンスをするために心掛けていることは何ですか。
藤原:徹底した準備かなと思います。僕のなかで準備というのはイメージトレーニングです。こういう場面がきたらどういう選択をするか、こうなった時にはどうするか……。常日頃から考えるようにしています。あとは、ルーティンを作ることで自分に流れを作っています。こういうところで安心して試合に入ることができるようになります。
林:最悪の場合を想定して練習しています。最大値を上げる練習と同じくらい最低値を上げることも重要かなと思います。プレーの良し悪しの振れ幅を少なくすることで最高のパフォーマンスを出せるようにしています。
神田:準備をしっかりすることですかね。勝てると思っていなかった試合に勝ったときに、着替えが全く足りなくなってしまったことがありまして……。そこから2試合ある時は通常の倍洋服を持っていったり、熱中症で倒れてからは、クーラーボックスを持ち込むようにしていたり。なるべく最高に近づけるために、準備を入念にすることが大切だと思います。
(小山実穂)