三田祭には、慶應義塾大学を受験しようと考えている高校生が多く来場する。大学が高校生向けに企画するイベントとしてオープンキャンパスがあるが、大学生活を謳歌する塾生の、よりリアルな姿を見ることができるという点で三田祭は高校生にとって意義あるイベントだろう。

 

三田祭実行委員会(以下、三田実)は、今回の三田祭から受験相談会という企画を始めた。塾生アドバイザーが来場した高校生や保護者の相談にのるという内容で、11月23日から26日までの各日に南校舎の1階に設けられたブースで開催された。

 

アドバイザーとして来場者の相談に乗ったのは、三田実が指定した団体の塾生のみ。事前にアンケートをおこないシフトを組んで、アドバイザーにマニュアルを配布するなど、丁寧に準備を重ねた。2025年度の入試から制度が大きく変更となることについては、慶大のホームページや募集要項をよく確認するよう来場者に伝えた。

 

当日、会場には高校生やその保護者などが多く訪れ、待ち時間ができるなど盛況だった。会場には各学部のアドバイザーが配置されており、来場者と向かい合って座り相談に乗った。時間帯によっては絶え間なく高校生・保護者が来場するほど賑わい、企画は大成功だったといってよいだろう。

 

弊会の記者もアドバイザーとして参加した。もちろんプライバシーの観点から相談の内容を記事に書くことはできないが、入試対策や実際の講義の様子、サークル活動などについての相談を持ち掛けられた。相手が満足できる受け答えをできたかはわからないが、自分自身の経験に基づいて簡潔にアドバイスすることを心がけた。

 

来年の三田祭でも受験相談会は開催されるだろうか。開催されるにせよされないにせよ、来場する高校性・保護者をターゲットとした三田実の企画力と、大きなトラブルなく企画を成功させた実行力が垣間見えたイベントだった。

 

竹之内駿摩