11月23日から26日の4日間、第1校舎107教室では、屋外の喧騒が届かない穏やかな空間に、楽しそうな子供たちの声が響いている。児童文化研究会の子供向けイベントだ。教室内をのぞくと、サークルのメンバーとイベントに参加した親子が、車座になって水族館をテーマにした工作を行っていた。
室内の床面は、子供たちが床に座ったり寝転がったりできるように整備がされており、窓もピヨンゴ(ひよこをモチーフにしたサークルのマスコットキャラクター)の描かれた絵が飾られていた。ここでは、屋外の喧騒とは対照的で静かな空間が広がっている。部屋には絵本も多く置かれ、お昼の休憩時間には子供たちが自由に読むことができるようになっている。また、入り口側には椅子が用意されており、参加していた家族が子供の隣で一緒にイベントに参加したり、椅子に座って後方から子供を見守ったりできるようになっている。
イベントでは、時間ごとに工作教室やマジック教室などの体験型イベントから、紙芝居や影絵劇の鑑賞まで楽しめる。工作教室では、水族館やクリスマスリースなど、計5種類のテーマで開かれている。また、紙芝居はサークルが独自に作成したオリジナルの物語で、幼児向けと小学生向けの2種類が発表されていた。部屋を半分に区切る暗幕の裏側では、影絵劇や紙芝居の準備に追われるサークル員の姿があった。
記者が取材した時間帯には、工作教室が開かれており、子供たちが水族館をテーマにした作品を親やサークル員に見守られながら制作していた。制作していたのは空き箱を1面だけくり抜き、その中に子供たちが画用紙に描いた魚をタコ糸でつるしたミニアクアリウム風の作品だ。参加していた子供の年齢層も広く、未就学児から小学生までが、一緒になって円座していた。作品を作り上げた子供が、親に自分の作品を自慢げに見せる、ほほえましい光景もあった。工作の時間が終了すると、部屋を出る子供たちには、トイプードルのバルーンアートがお土産として渡され、最後まで子供たちを楽しませようとするサークルの想いが見てとれた。
また、児童文化研究会は、屋外店舗にも駄菓子屋として出店している。駄菓子屋では、各種駄菓子とともに、低価格で団子も販売されており、多くの客でにぎわっていた。
屋外の喧騒から隔絶された癒しの空間。しかし、そこには、にぎやかな子供たちの声で盛り上がっている。小さなお子さんを連れて三田祭に来られた方は、ひと時の癒しを求めて、児童文化研究会のイベントに参加するのも良いだろう。
(上村健太)