9月24日、矢上祭にて、声優研究会主催のトークショー『石原夏織のK!O!Revolution!』(以降、トークショー)が行われた。出演者の石原夏織さんは、アニメ『マギ』のアラジン役、『お兄ちゃんはおしまい!』の緒山みはり役など、人気作品のキャラクターを多く演じている。また、アーティストとしても活動しており、今年の3月にソロアーティストデビュー5周年を迎えた。
石原さんは笑顔で手を振りながら登場し、観客からは拍手や歓声も上がり会場は一気に熱い雰囲気に包まれた。開始後、矢上キャンパスの印象を聞かれると、「自然が多く、校舎も新しくて綺麗」と答えた。また、矢上キャンパスに通っている・通っていた人数のアンケートを取るなどして、観客も巻き込んで会場を和ませた。
最初のコーナー『Career of Carry』では、石原さんの紹介をプロフィール帳形式で行った。石原さん本人が、タブレットに映し出されたプロフィール帳に書きこみながら進めた。石原さんは「演技レッスンの際に先生に渡して書いてもらったのを思い出した」というほっこりするエピソードを語った。また、学食で好きだったメニューを聞かれ、あげパンなど給食を挙げてしまうといったお茶目な一面も見せた。好きな言葉には「自分らしく生きる」、愛犬のむーちゃんと行きたい場所には沖縄と答え、石原さんらしさが詰まったプロフィール帳となった。完成したプロフィール帳は、声優研究会のX(こちら)で見ることができるので、ぜひチェックしてみてほしい。
次のコーナー『K!O!クイズ』では、慶應に関するクイズに石原さんが挑戦した。キャンパスの数や慶應生の間で使われる用語など難しい問題もあったが、石原さんの推理力と観客のヒントもあり、見事全問正解となった。全問正解した石原さんには、慶應とお茶の専門店「LUPICIA」のコラボグッズが送られた。
そして、メインコーナーの『大学生活すごろく』では、大学生活で起こるイベントにちなんだミニゲームに挑戦した。大きなサイコロを振り、最初にとまったのは「入学式で隣の人と友達になる」というお題でアドリブの寸劇をするというマスだった。石原さんは学部を聞いてから制服やサークルの話をして、連絡先を交換する演技を披露。ミッションの成否は観客の拍手によって判定されたが、会場には大きな拍手が起き、このマスはクリアとなった。また、体育の授業というマスには、以前石原さんが失敗したという「フラフープを10秒間回す」ミッションが登場した。実際にステージ上でフラフープを回し、観客と司会で秒数を数えた。1回目の挑戦は失敗だったが、2回目は惜しい結果に。そして3回目では、(成功してほしいという気持ちから若干カウントが速くなっていたが)見事10秒間回しきった。他にも、特技だという「絡まったネックレスをほどく」というミッションにも挑戦した。
すごろくも終盤になり、「卒業論文を書く」というマスでは、「声優として大事にしていること」を聞かれ、石原さんは「キャラクターの想いを正しく理解して表現すること」を意識していると語った。この考え方は、『マギ』のアラジン役で悩んでいた時期に、同じく声優の三木眞一郎さんに「声優はキャラクターに声を貸している状態。キャラクターの想いを不自由なく伝えられるようにしなければいけない」と言われたことがきっかけだという。また、石原さんは「妥協が苦手。納得できるまで突き詰めたいし、どうするべきか考えることが楽しい」と活動に対する熱い想いを語った。
トークショーのエンディングでは、「大学生に戻った気分で楽しかった。声優研究会のみんなが企画してくれたイベントを一緒にお届けできたことが嬉しい」と感想を述べた。2023年12月13日には『石原夏織 5th Anniversary Live -bouquet- Blu-ray』が発売されるそうなので、こちらも要チェックだ。
今回トークショーを主催した声優研究会は、「サブカル文化・産業の発展をあらゆる観点からアプローチし、視野を広げる」ことを目的に活動する公認学生団体。活動を開始した2009年以来ほぼ毎年声優の方の講演会を主催し、2021年度は梶裕貴さん、2022年では柿原徹也さんを招待してきた。5年ぶりに矢上祭での開催となったトークショーの背景にはどのような想いがあったのか。
――トークショー開催の経緯を教えてください。
トークショーは、矢上祭での開催は2018年ぶりですが、毎年の企画であり活動の柱です。まずはサークル内でお呼びするゲストについてアンケートを取り、オファーさせていただいて、企画を進めました。
――石原さんを今回のゲストに選定した理由を教えてください。
アンケート結果はもちろんですが、石原さんがソロアーティストデビュー5周年を迎えられることや、声優だけでなくアーティストとしても活躍の幅を広げていらっしゃるので、ぜひお話を伺いたいと思いました。
――トークショーの見どころはどこでしょうか?
トークショーでは毎回コンセプトを決めていて、声優さんにまつわるコーナーを企画しています。今回は「大学生活」がコンセプトなので、石原さんの大学生時代を垣間見ることができるコーナーを企画しています。例えば、プロフィール帳形式で自己紹介をしていただくことで、学生に戻った気分で石原さんにも楽しんでもらいたいです。すごろくでは、エチュードやミニゲームを用意しているので、石原さんのチャーミングな面をお届けできたらと思っています。
――トークショーへの意気込みを教えてください。
元々興味がある人にも、初めて参加する人にも一緒に楽しんでいただけるような、石原さんの魅力が詰まったトークショーにしたいと思っています!
実際、お茶目な性格や、声優そしてアーティストとして活動に対する熱い想いも伝わってくる、魅力たっぷりなトークショーだった。きっと初めて石原さんのイベントに参加した人も、トークショー後はすっかり石原さんの虜となっていたことだろう。声優研究会メンバーおすすめの石原さん出演アニメ作品は、冒頭で紹介した『お兄ちゃんはおしまい!』(緒山みはり役)と『色づく世界の明日から』(月白瞳美 役)だそう。まだこれらの作品を観たことがない人はぜひ観てほしい。
(飯尾梨子)