10月15日、三田会連合会の一角でベンチャー起業家早慶戦と題されたパネルディスカッションが開かれた。慶應大学と早稲田大学からそれぞれ2名のベンチャー企業の社長が登壇し、テーマに沿って話を繰り広げた。

このイベントは、2009年に設立した「ベンチャー三田会」によって主催され、さまざまな顔ぶれの登壇者が揃った。1人目は、慶大の商学部在学中の石井翔さんだ。大学2年生の頃に起業し、現在はOwned株式会社の代表取締役として活動している。2人目は、2013年に理工学部を卒業した秋元里奈さんだ。現在は産直ECサイトの「食べチョク」を運営するビビッドガーデンで社長として活動している。3人目は、早大政治経済学部4年生で、ビジュアル情報メディアを発信するU-biq株式会社の代表取締役として日野真幸さん。4人目は、マーケティングオートメーションツールの「Craft Chat」を開発している、早大卒業の小島舞子さんである。

学生と卒業生が混ざる4人の間で最初のトークテーマとなったのは「起業のきっかけ」だ。石井さんは、大学生活の余剰な時間に気づいた時に先輩が進めていた就活ビジネスに興味を持ったことからこの業界に足を踏み入れたという。また、小島さんはリクルートに就職した後に感じたオンラインマーケティングへの課題意識をもとに、起業で解決するという道を選んだという。

続いてのテーマは「起業後の失敗談」だ。日野さんは、学生中心にメンバーを集めた結果、コミット率やスキルセットの違いでなかなかまとまりが生まれなかったことを話した。また秋元さんは、当時社員が誰もいなかったことや無名の会社として農家に協力をほとんど得ることができず拒否されたことが苦難だったと語った。

最後は早慶それぞれの強みについて語った。慶應の強みとしては、内部生が刺激的であることや、何よりも卒業した後にあちらこちらで塾員が助けてくれる雰囲気が良いということが挙がった。一方で早稲田には比較的起業しやすい体制が整えられ、自由に活動しやすいことが挙がった。

慶應にはSFC-IVという学生起業支援施設があるほか、三田会主導でも「起業義塾部」とが発足している。興味のある学生は足を運んではいかがか。

坂本健斗