5月26日、日吉キャンパス来往舎のイベントテラスで、教養研究センター日吉行事企画委員会(HAPP)、アート・センター共催による新入生歓迎行事「室伏鴻舞踏公演」が行われた。

 室伏氏は日本における舞踏の創始者である土方巽氏に師事し、公演活動を継続する一方、近年では舞踏の指導者として多くのワークショップやレクチャーに招かれている。

 室伏氏は一昨年の〈ヴェネツィア・ビエンナーレ ダンスフェスティバル 2006〉など、国内外で発表し好評を博している「quick silver」を日吉バージョンで踊った。

また、ダンスパフォーマンスの前にはフィルム上映が行われ、室伏氏の国際的な活動の軌跡と現在が紹介された他、ゲスト・スピーカーとして招かれた映像作家バジル・ドガニス氏との対談が行われた。

 会場には382名の学生や地域の人々が訪れ、「水銀」をイメージした室伏氏の躍動感あふれる舞踏に圧倒されていた。

 5月17日から22日までの6日間、日吉キャンパス来往舎シンポジウムスペースで、「星の王子の砂漠を歩く」山口佳巳写真展が開催された。

 名作『星の王子さま』の作者サン=テグジュペリの足跡(サハラ砂漠)を、フランス文学者・山口氏が実際に現地を旅して撮影した写真の展示で、塾生だけでなく、原作のファンである一般市民の方々も数多く足を運んだ。

 広大な砂漠の景色や風紋などの『星の王子さま』に出てくるようなイメージだけでなく、横転したトラックや破壊された戦車、内戦や飢餓の恐怖に晒され続ける現地の人々の日々の暮らしや、子供たちの屈託のない笑顔等々を捉えた写真もあり、現実的な内容でもあった。

 学生へのメッセージとして「常日頃当たり前のこととして疑ってもみなかったことを疑う力を身につけて欲しい」と山口氏は答えた。