6月から、夏期インターンなど就職活動が本格的にはじまっている。「何から始めるべき?」「どうやって希望の業界を決めればいいの?」と悩む塾生も多いだろう。そこで、4名の塾員に各業界の対策方法を中心として、就活についてインタビューした。今回は現在メーカー企業の経理部に勤める塾員に話を聞いた。
――就活が始まるにあたって、どのようなことを始めましたか。
だいたい大学3年生の始めの方から始めました。まず、はじめは説明会にたくさん参加して色々な会社をみました。そこから徐々に、自己分析や面接練習、SPIに取り組みました。冬頃になってから、企業の絞り込みをして3月頃になってから、本面接に向けて準備して挑んでいきました。
――メーカー業界を目指したきっかけは何ですか。
もともと、経理部に入社することのできる会社を選びたいと考えていて、ものを扱う会社であれば、経理部の専門性が高く携わることが出来るので、メーカーを中心に考えました。
――業界のなかで、企業をどのように比較し選びましたか。
私は、2つのことを会社選びの軸としていました。1つ目は、経理で幅広い知識を経験できるような会社に所属することです。その点から、規模が大きく、専門職採用や業務の幅が広い企業を選びたいと考えました。2つ目は、社風を重視することです。私は、あまり上下関係が厳しくなく、自由に仕事のできる会社を選びたいなと思いました。この2つを考えた時に、幅広い経理経験も積めて、自由に働くことが出来るのが今所属している会社でした。
――メーカー業界独特の対策方法があれば教えてください。
その会社が作っている製品の知識は、ある程度理解しておく必要があると思います。また、製品をどのように売っているのか、売上・利益率がどのくらいなのかという、製品に関する近年のビジネスの実態を理解する必要もあると思います。
――面接に向けて行った対策を教えてください。
私はシミュレーションを何回もしていました。たとえば、面接でよく聞かれる質問リストを見て、1つずつ自分で答えを考え何回も言うという練習をしていました。Wordに書き出して、ひたすらそれを読んだり、友人とシミュレーションをして、フィードバックをもらい改善したりというのを何回も繰り返して、本番に挑みました。
――就活時に心がけていたことを教えてください。
ありのままを出すということです。事前の練習はもちろんするのですが、本番を迎えるにあたっては、あまり何も考えずに話すようにしようと思っていました。私は緊張しやすいので、逆に考えすぎてしまうと、何を言えばいいのだろうと頭が真っ白になってしまうという経験が何度かありました。その経験を踏まえ、本番は何も考えずに挑もうと考えるようになったのが、就活が上手くいった大きな要因なのかなと考えています。
――経理部に所属するために、就活のときに取った資格や、必要だと思うスキルを教えてください。
私は簿記2級とファイナンシャルプランナー2級を持っていたのですが、やはり資格を持っていると少し強いかなと思います。しかし、共通して言えるのは、コミュニケーション能力ですね。面接官との相性もあると思いますが、聞かれたことに対してズバッと端的に答えたり、面接官に何を聞こうと考えたり、言葉のキャッチボールを上手くするように心がけていました。
――現在働かれている企業あるいは業界でのやりがいを教えてください。
企業の経理部は、たとえば、「売上がいくらで、費用がいくらで、利益がいくらか」という会社の数字をまとめて、業績の発表を作るのが役目です。そういった企業の数字を身近に見たり、扱えたりすることに非常にやりがいを感じますし、魅力があるなと思います。あとは、社風が自分にとてもあっているなと思います。上下関係を気にすることなく、自由に働けて、若手の意見も尊重してもらえる。そういう風通しの良さが、ある意味楽しく仕事ができている要因だと思っています。
――これから就活を行う学生、メーカー業界を目指す学生にメッセージをお願いします。
就活は、人生の分岐点であることは間違いないです。就活をする上で自分自身と向き合い、悩むことも多いと思います。しかし、真剣に向き合うことで、自分の考えを認識し深めることができ、将来こうしたいなと思ったり、今こういうことがしたいなという明確な答えも出てくる。それが、就活で上手くいく要因になってくるのかなと思います。長丁場で大変だとは思うのですが、頑張って乗り越えてほしいです。あとは、就活で上手くいかないときは、リフレッシュで息抜きや旅行をして定期的にオンとオフの切り替えをつけるのが、就活を長く続ける上で重要だと思っています。
(砂河七実)