理工学部の榊原康文教授と先端生命科学研究所・環境情報学部の板谷光泰教授らの研究グループは、国立遺伝学研究所などと共同で、世界で初めて納豆菌ゲノムの全遺伝情報を解読した。研究成果は、4月16日に国際論文誌「BMC Genomics」で発表された。
 納豆菌は納豆づくりに欠かせない細菌。茹でた大豆に納豆菌をふりかけ、発酵させることで納豆ができる。今回の研究には慶大が保有する納豆菌株が使用され、そのゲノムを最新DNA解析装置にかけて全遺伝情報の解読に成功した。
 納豆菌ゲノムの解読は食品分野のみならず、化粧品などの医療分野や水質浄化などの環境分野での応用にも期待される。
 本研究は、2008年5月頃に立案。昨年9月にはゲノム解読の作業を完了し、国際論文誌に論文を投稿したが、掲載されるまでに8カ月を要した。
 塾生新聞会の取材に対して榊原教授は「日本では馴染みの深い納豆菌だが、海外の研究者に納豆菌の重要性を納得させるのに時間がかかった」と説明している。