5月21日、日吉キャンパス第4校舎J24教室で、慶應義塾創立150年塾生スタッフ企画による先導者シリーズ第2弾・松岡修造講演会「先導者の本気力!テニスコートのアツさを日吉の大教室で再現!」が行われた。塾生の他、一般の方々も来場し、開場前から長蛇の列ができたため、別室であるJ14教室で映像による中継が行われるほど大盛況であった。
松岡氏は慶應義塾幼稚舎・中等部出身。日本を代表するトップテニスプレーヤーとして活躍後、後進の育成に力を入れている他、メディアでも幅広く活動している。
会場には、「本日は独立自尊でがんばります」「俺は本気だ」という、松岡氏からのメッセージが書かれており、開演前から大きな歓声が湧き上がっていた。
大きな拍手で迎えられ、「みなさん、こんにちは」と挨拶した後、最前列に座っていた学生と握手。緊張で手が冷たいと言い、笑いを誘った。松岡氏の登場で盛り上がる空気の中、講演会は始まった。
成功するために必要なものにイメージ力・反復力・予測力を挙げ、自身の国内外の試合経験を基に講演は進められた。
テニスを始めた幼稚舎時代は、塾長も務めた小泉信三先生の考え方に影響された。慶應義塾21世紀グランドデザインになぞらえ、「よく学び、よく遊ぶ」「善を行う勇になれ!」「勇気のある自由人!」など、理想の学生像を話した。
高校2年の時、当時世界最高と言われた名コーチに才能を見出されたことで、世界に出るチャンスがやってくる。「本気で求めれば、いい出会いやチャンスがある」と語りながら、その時のことを振り返る。
その後ウインブルドンでベスト8進出を果たすなど、更なる期待がかかっていたが、数々の怪我に悩まされ、長いリハビリ期間を過ごすことになる。試合に出ても負け続ける時期が続くが、「迷った時は自分の説明書を書いた」「壁を叩き続ければチャンスはやってくる」と、常に前を向いていた当時を語った。
現在、松岡氏は今夏開かれる北京五輪の日本代表応援団長に任命されている。「頑張っている姿を見て人の応援をしながら、自分をも応援している」と、応援団長を務める意気込みも語った。
講演後には質疑応答が行われた。積極的に質問してくる学生に対し、真剣に力強いメッセージを送り続け、最後まで笑いと拍手が絶えることなく講演会は幕を閉じた。