人とのつながりで世界が広がる
ミウ・コスメティックスという化粧品会社を知っているだろうか。最近、同社の製品は多くの芸能人に使われていることで様々なメディアに取り上げられており、注目度を増してきている。
2006年、環境情報学部在学中に同社を起業したのが藪野美生さん(大学院メディアデザイン研究科非常勤講師)だ。
藪野さんが起業を考えたのは、大学3年生の時。それまでは、シンクロナイズドスイミングに打ち込んでいた。日本代表として国際大会で優勝した経験も持つ。
しかし、大学2年時に引退。新しく生まれた自由な時間を利用し、アルバイトやインターンシップに挑戦した。
また、世界中を旅した。それは、幼少時代からシンクロナイズドスイミングを続け、プールの塩素にさらしてきた肌質が気になり、解決してくれる化粧品を求めていたためである。
このように世界中の化粧品を研究している中、炭酸ガスを使ったセラピーに出会い、それを基にした化粧品を売りたいという思いが募った。
そして、大学の周りの友人の励ましを受けながら、シンクロナイズドスイミングで培った忍耐力を活かし、ミウ・コスメティックスを起業した。
起業するには「一歩踏み出す勇気が必要」と話す藪野さん。「起業することにおいて、自分が何をしたいのか考えることが大切。現実的なことを考えるのはその後」
今では、ミウ・コスメティックスは様々な雑誌などのメディアに取り上げられるようになった。また、今年の5月に表参道ヒルズで行われた写真展には、一人のアーティストとして、女優の香里奈さんや田中麗奈さん、映画監督北野たけしさんらと共に参加するなど、活躍の場を広げている。
「人と人との繋がりは面白いと思います。自分の仕事だけでなく、さまざまな職業の人と関わることで、自分の中の世界が広がっていく。人の道は必ずしも一つではないと思います」と語る。
最後に藪野さんは、後輩に向けて、次のようなメッセージを送る。
「大学生であるうちは、みんな何かの箱に入っているようなものだと思います。決まりきったことに流されないで、自分の好きなことを見つけてほしい。好きなもの、好きなことを見つける旅こそが大学時代だと思います」
(平松誠基)