三田祭期間中の4日間、院校舎343A教室では慶應義塾大学茶道会の『三田祭茶会』が行われた。

茶道会は、1933年に創立された由緒ある公認サークルだ。茶道会では、6つの流派(表千家・裏千家・武者小路千家・江戸千家・上田宗箇流・金森宗和流)に学生が所属。普段は流派ごとに分かれて稽古を受けている。三田祭期間中の茶会は、来客がさまざまな流派を楽しめるように、合同で行われた。

私たちが訪れた23日は雨だったが、客足は途切れなかった。ステージで盛り上がる中庭とは対照的に、物静かな空間が広がっていた。部屋の一角には仮設の茶室が作られ、その上で色鮮やかな和服を装った部員たちが客人を出迎えた。

茶会の様子
錦秋

今回、振る舞われたお茶菓子は錦秋。「4年ぶりにお茶菓子とお茶をお出しできる喜びを込めて選びました」と半東の松田麻世さん(理2)は語った。続いて、亭主の山口立理さん(文2)がお茶を点てた。部員たちのしなやかで美しい所作の数々には目を奪われた。

(亭主:茶会の主催者) (半東:亭主の補助をする人)

今回使用された茶道具の多くは、慶應にゆかりのある方々によって作られたものだという。茶碗には慶應義塾の塾旗である三色旗が描かれているほか、棗(なつめ)や香合(こうごう)にはペンマークが刻まれていた。

三色旗の描かれた茶碗
茶杓と棗
ペンマークの描かれた香合

 

「昨年度は集客に苦労しましたが、今年度は多くの方々に訪れていただき嬉しい限りです」と代表の寺西奏奈さん(文3)は話す。また、今年からの試みとして抹茶ラテの販売を行ったという。抹茶ラテは大盛況で、飲んだ方も多いのではないだろうか。

最後に茶道会として、寺西さんにメッセージを聞くと「茶道は堅苦しく敷居が高い印象を持たれがちですが、身近なことから茶道に関心を持っていただければ嬉しいです」と話した。忙しい毎日に、茶会で一息ついてみるのも良いだろう。

代表の寺西奏奈さん

 

(米山穂波・髙梨洸)