20日、強まる雨の中、賑わう中庭を抜けて西校舎地下一階に辿り着くと、綜合美術団体パレットクラブの展示会が行われていた。この展示会は、三田祭期間を通して行われる。
当会は、綜合美術団体ということで、絵に限らず、立体作品やペーパークラフトなど、多岐に及んだ作品を作成し展示する団体である。約70名の部員たちが、日吉のアトリエで、活動頻度や制作する作品も各々で自由に活動している。
今年度の三田祭は、昨年度の三田祭以降から今までの一年間で制作してきた作品を展示する、一年の集大成を見せる場だという。今回の展示会の見どころについて、代表の佐藤さんに話を聞いた。
「一番の見どころは、展示会の規模の大きさです。一年を通して制作してきたため、作品数は非常に多いです。また、部員それぞれが多様な作品を制作してきたため、幅広い種類の作品が展示されています。普段ギャラリーを借りて展示会を行うときは、あまり大型の作品は出すことができないので、そのような作品を展示できるのも三田祭ならではの魅力です。」
今回の展示会ために、作品をアピールできるようなポスターを制作したり、作品数が非常に多いため、展示の配置もなるべく見やすいように工夫したりしたという。準備していく中で、運搬を頼んでいた団体とのやり取りが途絶えてしまったため、各々で搬入しなければならなくなるというトラブルもあったそうだ。
「個人的には、大きいものから小さいものまで合わせて8点ほど出展しており、その量とかけた時間による質、どちらにもこだわりました。他の部員たちもそれぞれこだわりの作品を展示しているので、是非全体を広く見て欲しいです。」
まだ確定はしてないが、三田祭以降は早稲田大学との合同の展示会である「早慶展」や、他の美術サークルと共同して行う「二年展」などのイベントが予定されているそうだ。また、毎年夏頃に慶應義塾大学、早稲田大学、東京大学、東京女子大学の四大学で行う「四美展」も来年は例年通り行われる予定だ。
「地下なので少し来づらいかもしれませんが、部員たちが一生懸命作った作品がたくさんあるので、ふらっとでも立ち寄ってみてくれたら嬉しいです」と佐藤さんは語る。活気ある三田祭の雰囲気に少し疲れた際には、静かで居心地の良い空間で多様な作品をゆっくり楽しむことができるこの展示会に足を運んでみてはいかがだろうか。
(丸山晶、森吉柊一朗)