試合経過

11月6日、明治神宮球場で早慶戦の2戦目が行われ、慶大が早大に6-9で敗れた。両校合わせて、26安打の打撃戦となった。

慶大の先発は、外丸東眞投手(環1=前橋育英)。しかし初回、いきなり先頭打者に出塁を許すと犠打、ヒットなどでチャンスを広げられ早大・印出太一選手(2年)に満塁ホームランを浴び、いきなり失点を許す。続く打者にも連打を浴び、外丸選手はわずか12球で降板となった。

慶大の攻撃は、2回裏、萩尾匡也選手(環4=文徳)が四球で出塁すると、相手のミスなどで3塁まで進み、斎藤快太選手(商2=前橋)がレフト前に運び1点を返す。なおも1・3塁として前の回から登板した森下祐樹投手(総3=彦根東)がレフトオーバーの2塁打を放ち走者2人が帰り1点差に迫る。森下投手は、投手としても初回、ピンチで登板しダブルプレーに抑えた。

その後は両校、得点を奪い合う展開となる。慶大は同点、逆転のチャンスは作るものの最後の一本が出ない。9回表、慶大はミスが絡み失点。早大のリードは3点になり試合を決定づけた。

この敗北で慶大は優勝を逃し、明大が春秋連覇となる通算42度目の優勝を決めた。

 

―個人タイトル

この試合をもって、秋の六大学野球の全日程が終了し個人タイトルが確定した。慶大からは、萩尾匡也選手が打率.400(リーグ1位)、本塁打4本(リーグ1位)、17打点(リーグ1位)を記録し、史上16人目となる三冠王を獲得した。

 

[wds id=”74″]

※試合中の様子をスライドショーでご覧いただけます(撮影=太田小遥)

 

(鈴木廉)

 

記者の目

優勝の命運を賭けた大一番は、残念ながら敗北に終わってしまったが、来季以降の希望の光明も多く差し込んだ。まずは1年生ルーキー前田晃宏(商1=慶應)だ。3回途中、1死1、2塁のピンチの場面でのリリーフとして起用されたが、ストライクゾーンで勝負する投球で見事、無失点で抑えた。続く4回も、昨日の試合から好調を保つ上位打線を相手に、堂々たるピッチングを見せ、計1回2/3を失点0で切り抜けた。

また、前日の試合のアクシデントもあって欠場となった朝日晴人(環4=彦根東)の代役として起用された斎藤快太(商2=県立前橋)の存在も光った。初回の満塁弾で完全に試合のペースは早大に握られていた中で、早大・鹿田泰生(2年)が投じた外角低めの球を捉え、1点をもぎ取り、反撃のムードを呼び寄せた。

そして、この日一段と注目を浴びたのは清原正吾(商2=慶應)。前日、自身初の公式戦ベンチ入りを果たしたばかりの清原選手だが、5回裏1死2塁の場面で代打起用され、場内は大いにどよめいた。結果として右飛に倒れてしまったが、新たな大砲の出現を予感させた。

(吉浦颯大)