9月24、25日に第23回矢上祭が矢上キャンパスで開催された。台風で中止となった第20回、新型コロナウイルスを理由にオンライン開催となった第21、22回を経て、4年ぶりの対面開催だ。感染対策として事前の申し込みが必須となったが、両日完売。計4017人(主催者発表)が来場した。
今年度のテーマは「Re:Born」。対面開催の経験者が実行委員会にいない中で生まれた、「新しく生まれ変わった矢上祭を作りたい」という願いが込められている。塾生、塾員以外では横浜市港北区や川崎市中原区の住民に事前申し込みを許可するなど、地域に密着した開催となった。
芸人さんを招いた「スペシャルお笑いステージ」やサークルの展示、発表など学園祭らしい企画が並んだ一方で、研究室展示や科学教室など矢上独自の企画が開催された。これらは理工の魅力を来場者に伝える、オープンキャンパス的な側面を担っている。公式アプリ「Yagamy」を通じて、キャンパスマップやタイムテーブルが容易に閲覧できることも取り組みの一つだ。また24日には、障がい者支援の一環として、インスタント生ラーメンの無料配布を行なった。
開催の裏には実行委員会の苦労があった。4年ぶりの対面で、各施設や備品の利用申請は昨年から大きく変化した。約340人が所属する実行委員会の全メンバーに指示を出したり、効率的に作業を終わらせたり、と組織運営も困難を極めた。矢上祭実行委員会の溝口大智委員長は、「大変だった一方で、矢上祭がどれだけ周りの方に支えられているのか実感することができた」と振り返る。子どもや受験生、地域住民に寄り添った企画や開催様式についても言及し、「だからこそ対面形式で開催することに大きな意義がある」と確かな手応えを感じている。
最終日には、今年の注目企画である花火が打ち上げられ、矢上祭のフィナーレを飾った。約10分間の打ち上げ花火のために何度も打ち合わせを重ねたという。この花火は、来場者はもちろんのこと、矢上祭のためにこれまで頑張ってきた委員全員を労う意味も込めた花火であった。来年の矢上祭にも是非期待したい。
(米山穂波)