受験生諸君に「○○しか勝たん」と愛してやまない「推し」はいるだろうか。アイドルやスポーツ選手などを推す人は多いだろうが、参考書はどうか。受験勉強において毎日拝み、向き合い、とことん突き詰める「推し」の参考書の存在は合格へ導いてくれるはずだ。参考書選びで迷っている方へ、塾生の一推しを紹介しよう。
目次
英語
英文読解の透視図(研究社)
―推している理由
文学部の超長文を時間内に解ききるには構文把握力が何よりも重要となってくるが、構文把握の基本となるSⅤを取るところから比較など文法を絡めた構文解説まで充実しており、繰り返し取り組むことで最難関校レベルの英文解釈問題に立ち向かえるようになるから。
―おすすめの使い方
少なくとも3周、問題文をノートに写しひたすら構文把握と和訳。間違えたら赤で訂正ポイントを入れ、英文解釈を骨の髄まで叩き込む。
橋本成哉(文2)
鉄壁(角川学芸出版)
―推している理由
圧倒的な分厚さがかっこいい。正直、中身はどの単語帳も変わらないが存在感が違う。また、カバーを外したあとのデザインもいい。
―おすすめの使い方
電車内で他の人が英単語帳を見ていたら隣に行き、鉄壁を広げて格の違いを見せつける。分厚いので武器にもなる。
小池湧(経1)
基礎英文問題精構(旺文社)
―推している理由
英語の長文を読むための必要な英文解釈の力を効率よく身につけることができる。また、この参考書に載っている文章はおもしろいものが多く、文章から学ぶことが多いから。
―おすすめの使い方
文章(特に下全部)を完璧に訳せるようになるまで繰り返す。
小松響(法政1)
日本史
実力をつける日本史100題(Z会)
―推している理由
各時代の問題と、テーマ史の問題が網羅的に掲載されていて、歴史のタテとヨコを横断的に確認することができるから。語句を書く問題が多いので、赤シートでは見逃してしまいがちな用語も定着する。
―おすすめの使い方
各ページのリード文が端的にまとまっているので、答え合わせをしたあとに空欄の語句を埋めながら、自分で音読してみる。学校の定期テストの前にテスト範囲を総ざらいするのもおすすめ。
菊地愛佳(法法2)
日本史B一問一答(東進ブックス)
―推している理由
不要な知識は乗っておらず勉強効率的に最強だから。これ1冊さえ完璧にすれば日本史はほぼ敵無しになる。
―おすすめの使い方
通史を教科書などで一通り覚えた後にこの単語帳で細かい知識を固める。まず、範囲を決めてその範囲を完璧に覚えるまで何度も繰り返す。一通り覚えきったら、何周もして苦手な単語を潰していく。
稻山昂大(法法1)
世界史
タテヨコ総整理 世界史×文化史 集中講義12(旺文社)
―推している理由
コンパクトな参考書で、トイレや車内などでのスキマ時間の勉強に最適。世界史(政治)の流れを文化史(思想、芸術)と合わせて横断的、縦断的に消化できるのが本書の特徴。図版や写真も多く、視覚的に理解できる点も良い。
―おすすめの使い方
過去問をやりながら、分からない問題が出てきたら参考書を使って答えを探る。この流れ作業を、スピードを意識してこなすのが歴史勉強の良い取り掛かり方。また、歩きながら本書を眺めるだけでも十分な効果がある。ただ、眺めすぎは目に悪いので要注意。
野田陸翔(法法2)
化学
化学の新演習(三省堂)
―推している理由
物凄い問題量がありどの問題も難しく、これをやっておけば他の受験生に知識や演習量で劣ることはほぼ無い、という安心感を与えてくれるから。
―おすすめの使い方
時間がある、あるいは化学を得点源にしたい人は全ての問題を解くことをおすすめする。ただ時間が無い方は有機や理論の頻出の分野だけを解くのが良い。
櫻井優悟(理工1)
小論文
小論文これだけ!法深掘り編(東洋経済新報社)
―推している理由
法学部の頻出テーマを網羅的に抑えている良書。それぞれのテーマに賛成と反対、両方の立場にたったときの答案例が用意されている点もポイントが高い。テーマ・分野ごとの詳しい解説、豆知識は、自由論述形式の小論文対策にも有用。
―おすすめの使い方
とにかく読んで頭に入れる。一回目は、流し読み。2回目以降は、過去問の傾向と照合しながら出題可能性の高いテーマ、あるいはそれと親和性の高いテーマにフォーカスして、付箋やメモなどと付け加えながら読み込む。
野田陸翔(法法2)