大学との両立を目指す?自分のペースで独学?
4月は、始まりの季節。心機一転、新しいことを始める人も多いこの時期、キャンパスでは「ダブスク」というキーワードがあちらこちらに飛び交う。
新入生にとっては耳慣れない単語であるこの言葉は、「ダブルスクール」の省略形であり、資格試験に備え、自主的に対策の予備校に通うことを指す。目指す将来像によって様々なコースが、予備校には用意されている。主なものを挙げると公認会計士、簿記検定や法科大学院受験などである。
資格を取得すれば、それを活かした職業に就け、安定して働くことができると言われており、就職難と相まって資格の人気は年々高まっている。もちろん、簡単に取得できるわけではなく、相応の勉強が必要となる。その勉強を効率よく行うために、「ダブスク」をする人が多いのである。
まだ大学に入りたての新入生にとって、卒業後の進路は遠く感じるかもしれないが、資格を取得するかどうかは、入学直後に考え始めなければならないだろう。ここでは、ダブルスクールについて考える、いくつかの材料を紹介したい。
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ダブルスクールをする人の中には、本気で取得を目指すために、予備校の勉強ばかりを優先し、大学の講義を疎かにしてしまう人もいる。いかにして大学と両立するのか、そのバランスはなかなか難しい。
林花菜さん(法3)は、小さい頃からの夢である弁護士になるため、ダブルスクールに励みながら、サークル活動など大学生活を謳歌している。その両立のコツは、予備校の講義は基本的に休まないこと、大学の講義は興味のあるものを履修することだという。
夢を実現させるため、高校卒業と同時に予備校の門を叩いたが、早期に始めることは勉強のコツを掴みやすく、両立がしやすいと話してくれた。
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一方、迷った結果ダブルスクールをしないという選択をした人もいる。
安冨謙さん(経2)は、現在、予備校に通ってはおらず、今後も通うつもりはあまりないと話す。資格取得に興味はあるが、資格について予備知識もない段階で予備校に入学するのは、躊躇われたそうだ。自分がそれについて本当に興味があるのかを見極め、目指す方向性が固まったら勉強を始めるつもりだという。
勉強する習慣が自分に身についていれば、参考書を使って独学である程度の勉強は進められ、マイペースな性格もあり、一人で勉強するのも苦ではないと述べた。
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また、予備校で学習するメリットを、実際の予備校に伺ってみた。日吉にも校舎を持つ、資格の大原広報部の掛田章雄さんは、同じ目的を持った仲間が一緒にいること、学習ポイントを絞り効率の良い学習を可能にすること、と回答してくれた。チューターとして大学生を配置するなど、相談しやすい環境を整えているそうだ。
大学の勉強との兼ね合いも、予備校の講義を大学の授業終了後の夜間に設定し、重ならないように配慮しているという。
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ダブルスクールをする人、しない人とそれぞれの理由がある。その大きなものは、自らの進む道を見極めているか否かである。どうか、周りの情報に惑わされることなく、自らの目で見据え、考え、己の未来を切り開いていってほしい。
(橋爪奈津実)