2023年3月卒業予定の大学生に行った調査によれば、今年1月24日時点で、既に61%の学生が何らかの就職活動を始めているそうです。就活の本丸は、なんといっても面接でしょう。準備はできていますか?
面接の段階によって、攻略すべきポイントがある
面接の段階は各企業によって様々なパターンがあるものの、各段階でアピールすべきポイントが異なります。
若手社員による面接では、あなたが一緒に働ける仲間であるかが問われます。入社したら即自分のライバル?!という懸念を与えないためにも、間違っても先輩が知らないような知識を得意げに語ったりすることは控えましょう。協調性に×がついて最初の段階でご縁がなくなってしまうことだけは避けたいものです。
そして課長・部長による面接では、あなたが有能な部下となるか否かの資質が問われます。このクラスの相手であれば、疑問に思ったことは積極的に質問しながら、IR資料などから理解した、その会社の目指すところと自分の強みが活かせる一致点も強調し、自身が会社に貢献できる優秀な人材であることを、存分にアピールしましょう。
最後の人事・役員面接では、あなたが「わが社の一員として相応しいか」の社風とのマッチ感も問われます。そこまでの段階でたとえ優秀と判断されていても、優秀であるが故に、「この人は単なる滑り止めで受けているのか?」といった疑いも生じるからです。
「志望先企業が目指すところ」は、どうやったらわかるか
さて、そうは言っても「会社が目指すところ」は、具体的にはどのように把握するのでしょうか? 上述した、「IR資料」がその大きなヒントとなるはずですが、「専門用語が多くて、結局何がポイントがわからない・・・」とならないよう、公開情報から企業の状況や戦略を読み解くためには、日頃から最低限の知識を身に付ける努力は必要です。
どんな知識を身に付けたらよいか
志望企業を絞り込む際の企業研究も含めて、企業の戦略を把握するなら、財務・ファイナンス・経済の知識は必須でしょう。
またESGは経営における新しい潮流であり、これによって今後のお金の流れが変わることも意味します。なおこうした知識は、企業を相手とするコンサルタント業務に就く人や、企業に就職する人だけでなく、自分で起業する際にも、どうやってビジネスを継続していくか、資金を調達するかといった根本的なところでの必須知識となります。
財務・ファイナンス・経済の最新の知識を身に付けるには
こうした知識をバランスよく身に付けるには、CMA(日本証券アナリスト協会認定アナリスト)の受講がお勧めです。名前にもある通り、本来は企業の財務諸表などを分析して 収益性や成長性を評価し、投資判断に活かすための知識ですが、いわばその企業のビジネスモデルや戦略を理解し、将来有望か否かといった企業の価値を、合理的に読み取る知識となるからです。
金融・投資のプロフェッショナル資格として高いステータスを誇るCMA資格者ですが、そのうち証券会社は2割で、残りはその他の業種の方です。就職してからCMAの勉強を始める人が大半ですが、学生のうちに勉強を始めておいて損はないでしょう。事実、「学生のうちに始めておけばよかった」とする声が多く聞かれます。
持っている知識の質で、あなたの質問やアピールの質も格段に違ってくる
こうした知識があれば一つの情報を聞いただけでも、多方面に思考が広がっていくので、ぜひ面接に活用しましょう。例えば;
-「御社ののれん(※)の額はかなり大きいと感じます。現状は獲得するキャッシュフローで十分償却されているかと思いますが、国内市場の縮小を見越した海外への市場拡大の予定はありますか?私はゼミで△△市場の世界動向を研究していますが、最近○○国での成長がめざましいです。こうした世界の市場分析で貢献できるかと思います。」
-「御社はベトナムに進出する予定と拝見しました。私は大学で東南アジア地域文化を研究しており現地の文化に精通していますし、また現地の学生と毎月ZOOMでコミュニケーションを取っていましたので、お役に立てる機会があるかと思います」
-「コンプレッサの消費電力データを蓄積して自社での省エネ対策に活用していると拝見しました。こうしたデータ蓄積をもとに、省エネ管理ソフトの外販もできるのではないでしょうか?私はプログラミングの勉強をしてきましたので、貢献できるかと思います」
誰でも活用できる公開情報に基づいて、志望先企業の現状やビジネスモデルを理解し、面接で具体的に質問できたり自分の強みアピールに一致させたりすることができたら、大きなアドバンテージになるのではないでしょうか。
※無形資産の一種。M&Aでは買収先企業の純資産時価と買収価格の差額
▼投資・金融のプロを目指す
https://www.saa.or.jp/landing/student/index.html
▼CMA資格とは
https://www.saa.or.jp/landing/cma/index.html
記事に関する問い合わせ先:
広報部 e-mail:kouhou@saa.or.jp