2008年度から、「慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程奨学金」が新設される。
この制度の導入より、大学院医学研究科博士課程の第1、2学年は原則全員に奨学金1人あたり年間一律60万円が給付される。第3、4学年の学生については、第1、2学年時に各自が予め研究の計画等を提出し、その成果を検討した中で、研究の業績が顕著であった学生への給付を決めるという。
今回の奨学金制度の狙いは、学生が研究に専念する環境を整え、優秀な学生を獲得すること。義塾の将来を担う若手の育成の必要性のためである。医学部はこのために財政改革を行い、地道な節約の結果生まれた1・2億円をこれに充てるという。
大学間での競争が高まる現在、大学はより質の高い学問・研究の場であろうとする努力を欠いてはならない。その為には、各学部が特性を活かした上で試行錯誤を行う必要がある。
他の学部でも応用可能な改革に挑戦すること。また、これをはじめの一歩として「学費を下げ、義塾の質を上げる波」を作ること。それが本制度の取り組む末松誠医学部長の願いだ。そして、学生は単なる傍観者ではない。その波を作るは学生でもあることを忘れてはならないだろう。