街がクリスマスムードに包まれる時期だけに、コスメショップに宝物のような商品が並ぶ。クリスマスコフレだ。各ブランドから、クリスマス限定商品として発売されるクリスマスコフレは、多くの話題と関心を集めてきた。そこで、今回ポール & ジョー ボーテの開発担当者に、クリスマスコフレの開発の裏側について伺った。
ポール & ジョー ボーテは、パリ生まれのソフィー・メシャリーさんが立ちあげたファッションブランド、ポール & ジョーの世界観を反映させたコスメのブランドだ。猫をはじめとする動物や花をモチーフにしたパッケージなど、その可愛らしさから、女性の間で絶大な人気を博している。
そんなポール & ジョー ボーテが今年発売しているクリスマスアイテムは、2弾構成になっており、11月1日(月)に発売された第1弾は「メイクアップ コレクション2021」と「ラッピング ボックス S」。目玉商品である「メイクアップ コレクション 2021」は、アドベントカレンダー型のコフレで、24品もの商品が詰まっている。そして12月1日(水)に発売された第2弾では、リップスティックやハンドクリーム、ミラーが店頭に並ぶ。第1弾とは異なり、単品の限定アイテムが発売されている。特に、サンタクロースの帽子を被る猫の彫刻が施されているリップスティックは、クリスマスならではの特別感を演出している。
そもそも、普段発売している商品(レギュラー品)と限定品の違いはどこにあるのだろうか。レギュラー品は、常に店頭に並ぶ商品のため、ブランドが大切にしているモットーが象徴的に商品に落としこまれている。それに対して、限定品は、その都度決定したコレクションテーマに基づき、季節感を表現した商品が作られている。
では、クリスマスコフレはどのように開発されているのだろうか。ポール & ジョー ボーテでは、約2年前からクリスマスコフレの構想を練っているそうだ。最初にテーマを考え、そのテーマをもとに色や香り、感情を想像して、どのようにコスメに落としこむか試行錯誤する。今年であれば、「Dream A Little Dream 」、日中も、眠った後の夢の中でもクリスマスを楽しむ様子をテーマにコフレが作られた。例えば、「メイクアップ コレクション2021」のアドベントカレンダーでは前半に、準備をしながらクリスマスを待つリラックスモードのメイク、後半には夢の中でパーティーを楽しむ華やかでロマンティックなメイクに仕上がるコスメが入っている。
ポール & ジョーというブランドならではの要素も商品に織り込まれている。第2弾で発売されているリップスティックの一つは、フランスでクリスマスディナーにフィグが添えられることに因んで、フィグの香りが付けられている。このように、他のブランドとの違いも意識して開発しているという。
コスメ開発にはトレンドを取り入れることも欠かせない。実際、ポール & ジョー ボーテではコスメの色の参考にするため、トレンドカラーの勉強をしているそうだ。今欲しいという現在の視点や、2年後欲しくなるだろうという想像的な視点で、ディスカッションをしながら構想を練っている。
このように、ブランドが時間をたっぷり使い、想像を巡らせ開発しているクリスマスコフレ。中には、あまり馴染みが無いことや、何となく敷居が高いと感じることが理由で、なかなか手を出せないという人も多いだろう。しかし、クリスマスコフレにはブランドの魅力が凝縮されているため、ブランドの世界観を味わい、メイクそのものを楽しむことができるお得なものだ。「ぜひ思い切って手に取っていただきたい」と開発担当者は語る。そして、クリスマスまでの間に何回もコスメを見て、使って、幸せな気持ちになってもらえるよう願っているという。
クリスマスまであと2週間弱。クリスマスコフレを手にすれば、きらめくクリスマス期間をより楽しめるかもしれない。
(森田帆乃花)