2021年10月31日、コロナ禍で初めての衆議院議員総選挙が実施された。現在の若者は政治にどのような関心を持っているだろうか。若者の投票率向上を目指す学生団体ivote所属の慶大生、森瑞季さんに話を聞いた。
今回の衆院選では、投票率向上のため、学生団体や芸能人によるにSNSでの呼びかけ、投票済証明書の提示で割引などの取り組みが行われた。「これらが注目を集め、投票率向上を促した可能性がある」と、森さんは考える。
衆院選において若者は、新型コロナ関連はもちろん、若者にとって身近な出来事に関心が向いていた。奨学金や消費税増減をめぐる経済政策。加えて、レジ袋有料化の動きから環境問題に、コロナ禍でのオンライン授業実施や大学入試改革をめぐる議論から、教育政策に関心が集まった。
政治家に若者向けの政策を打ち出してもらうためには、投票結果に若者の存在感を示す必要がある。「社会の構成員という意識を持ってぜひ投票に行ってほしい」と森さんは語る。政治参加の方法は投票に限らず、陳情やデモといった様々な方法がある。最後に慶大生に向けて、「投票に行ったら、ぜひ周囲に向けて発信してほしい」と話した。
今回の衆院選と若者の政治への意識について、実際に投票に行った慶大生3名にも話を聞いた。
「今回が初めての国政選挙だったので、候補者や政党について調べ、自分の政治信条を分析する機会となった。一方でそもそも選挙に行きたがらない人もおり、若者の政治への意識はかなり温度差がある。これからの政治には、国民生活や安全保障と結びつく経済政策や、成長分野への投資・研究費の増額といった成長戦略をきちんとしてほしい」 (経済・1年男子)
「自分の学生生活に直結するコロナ対策やそれに伴う経済政策に加え、野党共闘もあって関心を持っていた。これからの政治に期待するのは、大学生への経済支援だ。また、現代社会で求められる学歴水準を鑑みて、高校の義務教育化も検討してほしい。友人と選挙の話をすることはなく、若者の政治への関心はあまり高くないと思う」 (法・1年女子)
「友人と政治の話をすることはほぼなく、むしろ政治に関心があることを特別扱いする認識があると思う。今回初めて投票に参加したので、個人的な政治への意識は高まった。特に関心があったのは経済政策で、前代未聞の出来事である新型コロナへの対応にはあまり期待していない。国民の政治に対する疑問が解決されるようになってほしいと思うが、若者の政治への関心の希薄さがその妨げになっているのではないか」 (文・1年女子)
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(山口立理)