東海大戦でトライを決める小澤とガッツポーズする松本
東海大戦でトライを決める小澤とガッツポーズする松本

2回戦エース三木国立へ導く

【慶大33―24法大】
国立への切符をかけた2回戦。強豪・法大との対決は最後まで気の抜けない厳しい試合となった。
「勇気を持ってパスを回して攻めるように指示した」との林監督の言葉通り、慶大は序盤から自陣でボールを持つとキックではなく、パスで展開して、敵陣に攻め込んだ。これが功を奏し、6分、ラインアウトから右に展開し、FB小林(経3)が先制トライ。直後に追いつかれるも26分、法大の裏のスペースへのキックからこぼれたボールをWTB三木(経3)が競り合った法大選手にタックル。そしてカバーに入ったCTB落合(経3)がトライを決めた。林監督は「キックを基点として、三木の判断も良く、今日一番のトライだった」と振り返った。その後、両チーム1トライずつ奪い合い、21―14で前半を折り返した。
後半も一進一退の攻防が続く。4分に慶大が落合のトライで突き放すと、法大も得意の展開ラグビーで9分にSH日和佐がトライを決める。さらに18分にPGを成功し、2点差まで詰め寄る。勢いづいた法大はその後も猛攻を仕掛けるが、ここで慶大の守備が力を発揮。インゴール目前で好タックルを連発し、相手のミスを誘い、ピンチを脱した。そして試合を決めたのはエースの三木。28分、左サイドでボールを受けると華麗なステップで相手をかわし、勝ち越しトライを奪った。三木は「スペースが空いていたので取らなければいけなかった。いいトライだった」と自身の役割を果たしたことに満足気な表情を浮かべた。その後も慶大は法大の猛攻をしのぎ切り、33―24で勝利し、準決勝進出を決めた。
2年ぶりに準決勝進出を果たした慶大だが、「キックオフでのコミュニケーションミスが多かった」(FL松本主将)、「タックルが高かった」(SO和田)と東海大戦に向け課題も残した。

準決勝 猛追及ばず松本組散る

激闘を終え、悔しさをかみしめる松本主将
激闘を終え、悔しさをかみしめる松本主将

【慶大14―19東海大】
今年最初の大一番は全国選手権の準決勝。
前半、関東リーグ戦3連覇を果たした東海大がゲームを支配する。
東海大の強くて大きいFW陣が、集散の早さも相まってブレイクダウンを制し、また慶大伝統の「魂の低いタックル」をはねのける。東海大の木村監督の期待通り、動きの固い慶大の陣地内でプレーした東海大に何度もチャンスを作られるが、慶大は必死のディフェンスで得点を許さない。
しかし29分、日本代表のHO木津にこじ開けられて東海大に先制を許す。さらに4分後にはFB豊島に密集を突破され0―12とリードされるも、終始東海大ペースで「慶大らしいラグビーが出来なかった」(松本主将)前半を2トライでしのいで終える。
「負けていたので守りの選手より攻撃の選手」(林雅人監督)と、脳震とうのSO和田(法3)に代えてアタッカーの高島(商3)を投入。後半、三木の快走などでチャンスを作り、持ち直した慶大だったが、18分に相手のWTBに巧みなボールコントロールで抜け出され、決定的な3トライ目を挙げられた。
しかし23分、「東海大は終盤に走れなくなる」との林監督の分析通り、勢いの落ちた相手ディフェンス陣の間を抜きLO立石(総3)がトライを決め反撃の狼煙を上げる。そして31分にはNO8小澤(総3)が「スクラムを組む前から絶対に取りきってやると思っていた」と5人をブチ抜きトライ。ゴールも決めて1トライ差まで猛追し、あと10分間を残した慶大フィフティーンをスタンドの歓声が後押ししたが、無念のノーサイド。新春の国立のグラウンドで、慶大ラグビー部のシーズンは幕を閉じた。