三田祭2日目の21日14時、中庭メインステージにて三田祭実行委員主催のフリーダンスバトル『Dancer×Dancer』が行われた。
このバトルは慶應・早稲田両大学の有名ダンスサークル・団体が集結し、プライドをかけてぶつかり合う、フリースタイルの早慶戦である。出場者は、慶大からDancing Crew JADE, Revolve, dance crew es、早大からSesSion, Waseda University Breakerz, aka Wa.Se.Da.の計6チームである。
フリースタイルダンスはジャンルにとらわれることなく、曲に合わせてその場で様々な技やステップを繰り広げていく。即興で観客を沸かせるには、各方面での高度なスキルが求められる。
観客の歓声にこたえながら颯爽と登場したのは、日本で活動するヒップホップMCのACEさんと、ミス慶應SFC2020ファイナリストの木下結衣さん(総2)。
今回のダンスバトルは、慶應・早稲田それぞれ1団体同士で3回の予選を行い、予選を勝ち抜いた3団体により決勝戦が行われる。ゲストのACEさんと、早慶両大学のOBそれぞれ各1名、合わせて3名の票によって審査される。
くじびきの結果、予選1回戦は dance crew es 対 SesSion。ACEさんと観客の「Fight！」という掛け声とともにバトルは幕を開けた。音楽に合わせてそれぞれが個性を発揮しながら高レベルなダンスを披露し、観客の士気を高めていく。音楽の変わり目の部分で両者が戸惑うようすも見受けられたが、そのような状況にも臨機応変に対応し、パフォーマンスを続ける姿に心を奪われた者も多いだろう。結果は dance crew esの勝利。予選1回戦から白熱したバトルが繰り広げられた。
予選2回戦は Dancing Crew JADE 対 Waseda University Breakerz。男女問わず激しくぶつかり合い、リズムが難しい曲にもお互い柔軟に対応していく。限りある一人ひとりの持ち時間を有効に使い、結果は 2対1でWaseda University Breakerzの勝利。チームの結束力の強さを見せ、見事決勝に勝ち進んだ。
最終予選は Revolve 対 aka Wa.Se.Da.。両者とも体を柔軟に動かし、体全体を使った表現で観客を魅了する。ステップの激しいダンスにはひときわ大きい歓声が上がった。そして決勝に進む最後の1団体は Revolveに決定。結果発表後、両チームが健闘をたたえ合い、固い握手を交わす姿が印象的だった。
そしていよいよ、 Waseda University Breakerz, Revolve, dance crew esの3チームによる決勝が始まった。予選よりも1人ずつの持ち時間が長い分、ターンが変わるごとに会場の空気は各チームの色に染められ、会場の熱量もどんどん高まっていく。カメラに写真を納める手を止めて思わず見入ってしまうほど、どのチームも魅力的で個性あふれるパフォーマンスだった。
全チーム中、見事優勝に輝いたのは慶大の Revolve。自分たちのスタイルを貫き、ルーティンを入れていた点が審査員に評価された。「グルーヴの生み出し方に唯一無二の個性を感じた」とACEさんはコメントを残し、 Revolveのメンバーも「このような場を設けていただいて感謝している。精一杯頑張れた」と満面の笑みを浮かべながら深々と頭を下げた。
最後は全6チームがステージに上がり、ACEさんの華麗なラップ披露で会場のボルテージが最高潮に達したところでバトルは幕を閉じた。どのチームも個性あふれる素晴らしいパフォーマンスを披露し、会場は観客の大きな拍手で包まれた。
バトルはこの日限りだったが、中庭メインステージでは、三田祭3日目以降もDancing Crew JADE, dance crew esの公演が行われた。慶大生による力強い圧巻のパフォーマンスを、多くの観客が楽しんでいた。
(松本彩花・義経日桜莉)