Michael Jackson clubのステージは、カラフルなダンサーを引き連れた女性のマイケルの登場で幕を開けた。
1曲目は“Thriller”。センターのキレのある四肢の動きと、凛々しい表情は鮮やかでキラキラした赤の衣装によく似合う。他のダンサーの動きも圧巻。ステージに立つ誰をとってもマイケルさながらの完成度だった。
2曲目は“Billie Jean”。誰もが知っている王道曲。そのイメージを裏切らないパフォーマンスに脱帽。まず、腰と指先の動きに引き込まれる。そしてなんと言ってもムーンウォーク。本物を見ているかと錯覚するような滑らかな足運びに、思わず感嘆の声を上げてしまった。伸びやかな四肢の動きにも目を奪われる。まさに「格好いい」という言葉がぴったりだった。
代表的な2曲に続き、“Smooth Criminal”を披露。センターを中心にまるで実際のコンサートのような世界観を演出した。Michael Jackson clubを惹きつけるマイケル・ジャクソンの魅力。それは彼の独自性だけでなく、その切実な訴えにある。
ラストの“They Don’t Care About Us”は、彼の、そして彼らの、人種差別に対する講義のメッセージを強く含んでいる。「この曲の発表から20年以上経っているにも関わらず、人種の垣根のない平和な世界は実現していない」「#BLMという投稿だけで満足していないか?」と、私たちのエゴやポーズこそが平和への道を阻害していること、個々の努力の重要性を強く訴えた。
彼らが「マイケル・ジャクソンが好き」という共通の気持ちのもとに集まったからこそ生み出されたパフォーマンスであった。
※写真はMichael Jackson club提供