東京六大学野球秋季リーグ戦は10月30日、全日程を終了し、早大が3季連続、40回目の優勝を果たした。慶大は早大に先勝して優勝まであと1勝としたが、第2、3戦に連敗し、4季連続の3位に終わった。個人では加藤幹典投手(環4)が六大学史上20人目、平成では3人目のの通算30勝を達成し、青池悠五外野手(環4)が初のベストナインを獲得した。
 
 
慶法第一戦
 加藤はリーグ戦通算30勝を賭けて望んだマウンドだったが、この日の投球は本来の姿とは程遠かった。
 初回、松本哲に先頭打者本塁打を浴びるなど2失点、3回にも3点を失った。4回は無失点で切り抜けたものの、先発の役割を果たせずに降板となった。
 試合後、加藤は「気持ちが入りすぎ、力任せになってしまった。フォームもバラバラだった。今までで一番悪い」と肩を落としたが、相場監督は「加藤が打たれては勝ち目がない」とこの敗戦を割り切っていた。
 
 
慶法第二戦
 東大戦で完封勝ちし、調子を上げてきた法大・小松をいかに打ち崩せるかがこの試合のポイントであった。
 4回、6回に先頭の宮田(環4)が出塁すると3番・青池が送りバントを決め、チャンスを広げた。しかし続く佐藤翔(総4)がいずれも内野フライに倒れ、チャンスを活かすことが出来なかった。後続の適時打で得点は挙げられたものの、佐藤がブレーキになってしまった。
 相場監督は「小松が良かった」とかばったが、早大戦へ不安を残す結果となった。
 
 
慶早第一戦
 凡退すれば引き分けが決まる延長12回裏、2死満塁で打席に立った青池は11球目を三遊間深くに転がし、内野安打。サヨナラ勝ちで6季ぶりの優勝へ王手をかけると同時に、12回を完封した加藤の通算30勝が達成された。
 この試合初めて4番に座り、殊勲打を放った青池は「加藤のためにも勝ちたかった」と語り、史上20人目の大記録を達成した加藤は「(30勝の)実感はまだない。全て終わってから実感できると思う」と笑顔で答え、「明日決めなければ優勝は厳しい。投げられるなら投げたい」とチームの優勝のために、さらに前を向いた。
 
 
慶早第二戦
 勝てば優勝が決まるこの試合、相場監督は積極的に動いた。先発の中林(商2)を4回途中で交代させ、相澤(経3)を投入、7回からはビハインドの展開で前日12回を投げた加藤をマウンドに上げて必勝を期した。投手陣は起用に答え2失点で逆転を待ったが打線が早大・松下を打ち崩せずに敗れた。
 相場監督「投手は早めの交代を考えていたが加藤は勝ち試合で使いたかった。明日勝たないと次はないので勝ちたい」
 
 
慶早第三戦
 春と同様、早大は勝てば優勝、慶大も優勝のためにはもう負けられない試合。相場監督から握力の続く限り投げるよう指示され、加藤は3連投ながら先発のマウンドに立った。
 加藤は2回までに守備のミスも絡み6点を奪われるが、毎回安打を浴びながらも9回を完投。相場監督が「最後は握力がなかったね」と言うように、終盤は直球も130㌔台とまさに4年生の意地で投げきった。
 優勝まであと1勝としながらも、序盤で大勢が決まるという一方的な試合で今季の戦いが終わった。