六大学野球秋季リーグ戦において、11月2日から華の早慶戦が行われた。慶大野球部は1回戦を7―1で勝利し、3季ぶり37回目の優勝を決めた。続く対早大2回戦は4―6、3回戦は3―4で敗北。惜しくも91年ぶりの全勝優勝、そして完全優勝とはならなかった。それでも破竹の9連勝で優勝をつかみ取った。
また、森田晃(商2)、郡司(環4)、小原(環4)、下山(商1)、正木(政2)の5名がベストナインに選出。主将の郡司は打撃3部門における三冠王に輝くなど、素晴らしい活躍を見せた。
法大戦 全勝対決を制す
台風19号の影響で10月12日、13日中止になり14日から始まった東京六大学野球秋季リーグ戦第5週。東大、立大戦を全勝で勝ち進む慶大の相手は、同じく全勝で勝ち進む法大。一回戦、髙橋佑(環4)・津留﨑(商4)は役者揃いの法政打線を相手に1点しか与えない投球をした。打線は2回裏の瀬戸西(政3)、8回裏の小原(環4)の適時打により3―1で慶大が勝利した。
続く二回戦。慶大は先発・森田晃(商2)を含む6人の継投で法大打線を1点に封じた。3回に適時打、9回には押し出しを選んだ主将の郡司(環4)は、「とても集中できていた」と打席を振り返った。また9回に適時打を放った下山(商1)も「追い込まれると苦しくなるので初球から行った」と話した。試合は3―1で慶大が勝利し、勝ち点1を手にした。
明大戦 劇的サヨナラ打で勝利
続く明大戦。春の雪辱を晴らすべく臨んだ一回戦。明大の先発は横浜3位指名の伊勢。初回から柳町(商4)の2点本塁打により先制すると犠飛や暴投で更に点数を追加。4―1で慶大が勝利した。
明大としても負けられない二回戦。明大の先発は広島1位指名の森下。
一方、慶大は防御率0点の森田晃。序盤から投手戦となり1―1で迎えた9回裏2死1、2塁。打席に立った橋本典(環2)が見事にサヨナラ適時打を放ち2―1で慶大が勝利した。勝ち点の獲得について大久保監督は嬉しいと素直に喜んだ。
早大戦 91年ぶりの全勝優勝逃す
全勝で迎えた早大戦。勝てば優勝が決まる一回戦の先発は髙橋佑。2回に早大・中川卓に適時打を打たれるもののその後を抑え、続く津留﨑・増居(総1)・石井(商4)も無失点に切り抜けた。郡司の2本の本塁打が飛び出すなど、投打が噛み合い見事に7―1で慶大が勝利。
これにより令和元年度の秋季リーグ戦の慶大の優勝が決定した。大久保監督は優勝について「嬉しいの一言」と話し、試合を振り返って「4年生がよく頑張った」と賛辞を贈った。
91年ぶりの全勝優勝の王手がかかった早慶戦二回戦は、序盤から3点を先制される苦しい展開となった。相手の悪送球などもあり4点を返すも、完全優勝阻止に全力を尽くした早大に敵わず4―6で今季初の黒星となった。負けられない三回戦の先発は、二回戦に引き続き森田晃。3―3で迎えた9回裏。早大・金子にサヨナラ適時打を打たれ4―3で敗北した。勝ち点5の壁は想像以上に高かった。