日吉キャンパスから東急東横線・みなとみらい線で20分のみなとみらい地区。おしゃれなイメージを持たれることが多く、大学生をはじめとする若い世代にも人気の観光地だ。慶應塾生新聞は、慶大生が空きコマに「特別な体験」をできるスポットを探すべくみなとみらいに向かった。
伊勢山皇大神宮
最初に訪れたのは、みなとみらいから京浜東北線を隔てて反対側にある伊勢山皇大神宮。コンクリート建てのビルが多く立ち並ぶ横浜の市街地にあって、緑を多く感じられる貴重な場所だ。取材当日(6月30日)にはたまたま「大祓式」という神事が行われていたため、取材班も参加させていただいた。大祓とは日々の生活の中でついた罪やけがれを取り除くための儀式であり、毎年6月30日と大晦日に行われている。今回案内してくださった増田さんによると、午後1時と4時の回を合わせると、毎年幅広い年齢層から6~800人近くが訪れるという。
大祓式が始まったのは午後1時。最初に神職の方々が入場し、全員で「大祓詞(おおはらえことば)」を唱える。その後、人の形をした紙の人形「人形(ひとがた)」で体をなでるなどして、日々の生活の中でついた罪やけがれを取り除く。「体の調子が悪いところをなでるといいですよ」と増田さん。最後に「茅の輪」を神職の方の先導に続いて3回くぐり、神事は終了となる。
大祓の後、増田さんに本殿を案内していただいた。本殿では、日本国民の総氏神とされる天照大御神(アマテラスオオミカミ)が祀られている。増田さん曰く、金運や恋愛をはじめ「全部」お願いできる神様だという。さらに、この本殿は、来年の創建150年記念事業の一環として、昨年三重県の伊勢神宮から、式年遷宮後使われなくなった古い神殿を一棟丸ごと譲り受けたもの。材木をもらうことはあるものの、一棟丸ごと譲り受けるケースは全国でも非常に珍しいそう。
この神社ではお守りも売られている。特に人気なのは、スポーツや受験などさまざまな場面での勝利を助ける「勝守」。2016年に放送されたドラマ『世界一難しい恋』で、嵐の大野智さん扮する主人公の鮫島零治が、ジャニーズWESTの小瀧望さん演じる部下の三浦家康に渡したことでも人気が出たという。
「神社に行くのに目的が無くても構いません。特に願い事がなくても、心のよりどころとして来てくれると嬉しいです」と増田さんは話す。学生生活に少し疲れたとき、都会の喧騒から離れた、ここ伊勢山皇大神宮で自分の気持ちを落ち着けてみてはいかがだろうか。
カップヌードルミュージアム横浜
我々が次に向かった先は、カップヌードルミュージアム 横浜。多くの人がご存知の通り、ここは日清食品創業者安藤百福さんの記念館である。朝ドラ『まんぷく』放送以来、来館者数を更に伸ばし、海外旅行者も多く訪れる、今大注目の体験型施設だ。
館内は「子供たちにに発明、発見の楽しさを伝える場所にしたい」という思いから、安藤百福氏の歴史を学ぶというより、様々な体験をするという要素を多く盛り込んでいるそう。クリエイティブシンキングをコンセプトにした施設自体、クリエイティブディレクターである佐藤可士和さんによるプロデュースである。取材した日曜日の館内は案の定混んでいたが、特に子供の来館が目立ち、活気に満ちていた。
さっそくカップヌードルの歴史や世界への広がりを感じ取れる「インスタントラーメンヒストリーキューブ」へと向かった。ここではチキンラーメンをはじめとするインスタントラーメンの歴代ラインアップを見ることができる。初代チキンラーメンのパッケージは中身がわかりやすいよう、大きめの窓をつけて麺が見える。見覚えのあるパッケージで、世代間で懐古する時代が違い、また面白い。
次に人気の「マイカップヌードルファクトリー」を体験した。自分でカップにデザインをし、そのカップに麺を入れたら、4 種の中から好みのスープ、12 種の中から4 つのトッピング具材を選んで進む。フタをし、包装するという一連の過程を目の前で見ることができる。最後に出てきたマイカップヌードルをエアパッケージに入れて完成だ。紐を肩にかけてぶら下げると、いかにも自分だけのカップヌードルな気がしてとても嬉しい気分になる。
他にも安藤百福さんの生涯を紹介するアニメーションシアターや、チキンラーメンが誕生した研究小屋などがあり、いかに百福さんがインスタントラーメンを生み出して行ったのか、垣間見ることができる。館内の展示はどれも趣向が凝らされており、大人も子供もそれぞれの楽しみ方で過ごせそうだ。
最後に、今回案内してくださった金谷さんが「NOODLES BAZAAR -ワールド麺ロード- 」にて、カップヌードル味のソフトクリームを試食させてくださった。クリームにカップヌードルのスープを練りこんだ、なんとも言えないしょっぱさを持った甘いソフトクリーム。カップヌードルミュージアム気分になることは間違いなしだ。ぜひ賞味してもらいたい。
カップヌードルという視点を通して「特別な体験」を提供してくれるカップヌードルミュージアム。「まんぷく」放送を受けて、百福さんの妻・仁子さんの生涯を紹介する展示も8/31 まで行われている。是非一度訪れてみてはいかがであろうか。