雨が続く梅雨の季節には、傘が手放せない。その機能性は日々向上している。そんな傘について取材するため、多くの人が一度はそのロゴを目にしたことがあるであろう「Waterfront」自由が丘店に向かった。

世界最大級の傘専門店で、4フロアある店内には約500種、10,000本の傘が所狭しと並ぶ。

お店や商品について、取締役の坂口淳一さん、執行役員の稲葉和沙さんに話を聞いた。お店の誕生について尋ねると、創業者がもともとこの地、自由が丘にカフェを開いていたが、幼少期に傘職人が近所に住んでいたことから傘への強い思い入れを持っていたそうだ。そこで「自由が丘を傘の街にしよう」と、当時人気があったカフェをたたみ、傘屋を開くことを思い立ったのである。

お店には、主に30~50代の女性が自分用や家族へのプレゼントとして商品を買いに訪れるという。また、この店の傘は海外からの観光客にも人気がある。海外には傘の多様性があまりないことや、日本ほど高品質な傘がないことから、高機能で見た目も様々な傘に驚くのだそうだ。

特徴的な傘をいくつか紹介しよう。「Sa 傘」は閉じたときに濡れた面が内側に入るため、持ち物などを濡らす心配がない。閉じた状態で立たせ、そのまま乾かすことも可能な優れモノだ。

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「Sa 傘」。閉じた際には外側にあった面が、開くと内側に…

「銀行員の日傘」はスーツ姿の銀行員が暑そうにしていたことから着想を得た。外側がシルバー、内側がブラックで外からの熱を防ぐ仕組みになっており、差すことで体感温度が5~7度違うというデータもある。今年から折り畳みサイズも発売された。「バッグに優しい傘」は中心がずれており、バックを横に持ちやすかったり、リュックを背負いやすかったりと使い勝手が良い。

「バッグに優しい傘」。中心がずれていることで、荷物が濡れにくい

素材メーカー・帝人とコラボした「ウォーターバリア」はかかった水滴が表面をポロリと転がり落ちるほど撥水性に優れている。

また、とにかく丈夫な「富山サンダー」は骨がしなやかに曲がるほど耐久性がある。機能よりデザイン性を重視する方には、袋に収納するとぬいぐるみのような見た目がかわいらしい折り畳み傘、女性に1番人気で、色鮮やかな花火が印象的な「隅田川」、水に濡れると桜の柄が浮き出る傘などがおすすめだ。「種子島」は銃を撃つようにして開く傘で、遊び心をくすぐる。

商品の多くが1000円から2000円程度とリーズナブルだ。お店は自由が丘駅の南口・北口から徒歩1分とアクセスも良好。お気に入りの傘を探しに、足を運んでみてはどうだろうか。

(柴田美羽子)