東京六大学野球春季リーグ戦はは6月4日、全日程を終了した。慶大は慶早戦まで優勝決定戦に持ち込む可能性を残していたが、第2戦で敗れ、3季連続の3位に終わった。優勝は早大が2季連続で果たした。早大のリーグ戦優勝は39回目。
なお、咋秋に続いてベストナインに慶大からは佐藤翔外野手(環4)が選出された。
慶東第二戦
▼第2戦 ○
【慶大11―0東大】
慶大は2回、中林(商2)の適時打などで3点を先制。その後も8回に青山(環1)がレフトへ2号2ランを放つなど着実に加点し、今季最多の11点を奪い試合を決めた。
先発・中林は四死球8と制球に苦しんだものの、東大打線を被安打1、奪三振15で完封し、今季2勝目を挙げた。東大はリーグ戦36連敗。
慶法第一戦
▼第1戦 ○
【慶大7―4法大】
明大に連敗し、これ以上負けられなくなった慶大は1点を先制された直後の3回表、佐藤翔が今季2本目の満塁本塁打を放ち逆転し、4回に青池2点適時3塁打で突き放す。3点差と迫られた最終回、守備の乱れから1死満塁と一発が出れば逆転のピンチを迎えたが、3番・佐々木、4番・大澤を打ち取り逃げ切った。先発した加藤(環4)は4点を失ったものの(自責点は2)、毎回の12奪三振で今季初完投、復調の兆しを見せた。
この試合から1番に青池(環4)を起用するなど、打線を組み替えたことが功を奏した。相場監督は「1、2番の出塁率が低く、機能していなかったので打線を組み替えたが成功した」と説明したが、「無駄な点をやりすぎ。加藤もまだまだ」と先勝にも試合内容に注文をつけていた。
今季2本目の満塁本塁打を放った佐藤翔「打ったのはまっすぐ。みんなが繋いでくれたので上手く力を抜いて打つことが出来た」
慶法第二戦
▼第2戦 ○
【慶大3―2法大】
慶大は5回表に先発の中林が1点を失い先制された。しかし、直後の5回裏に青池の「隙があったので狙った」というセーフティーバントで好投していた法大・平野貴のリズムを崩し、宮田(環4)、梶本(環2)、佐藤翔の適時打を含む5連打で逆転。そのリードをリリーフの相澤(経3)が守り抜き、法大に連勝、優勝に望みをつないだ。
決勝打を打った佐藤翔は「(前の打席ではタイミングが合っていなかったが)切り替えて(前の打者に)続こうと思って打った。再来週のは追う立場なので、チーム一丸で闘いたい」と語った。
宮田主将は「今日も厳しい試合だったが、次はさらに厳しくなる。相手どうこうではなく、自分たちのやれることをやりたい」と早慶戦に向けて気合を入れ直していた。
慶早第一戦
▼第1戦 ○
【慶大7―3早大】
1回裏、先発・加藤が「いつも立ち上がりが良くないし、(早大先発の)須田が2つ取ったので狙っていた」と3者連続三振を奪い、最高の立ち上がりを見せる。守備から流れを引き寄せた慶大は3回裏、加藤の安打を足掛かりに野選、四球で満塁とすると、佐藤翔の押し出し死球で先制し、青山、松橋(総4)が連続適時打を放ち計5点を奪う。その後、青池が6回に適時打、8回に本塁打を放ち、早大を突き放した。大量リードに守られた加藤は7回を投げ無四球、被安打1、8奪三振と早大打線を完璧に抑えた。リリーフした相澤が最終回に捕まり3点を返されたが、松尾拓(総2)が後続を押さえ、プレーオフへ望みを繋いだ。
相場監督は加藤について「今季一番のピッチングだった。制球が良く、キレもあったので安心して見ていられた」と振り返り、翌日の試合について「これで早大も負けられなくなり、明日は必死で向かってくるだろうからこちらもチャレンジャーとして思い切りやりたい」と大一番に向けて気を引き締めていた。
慶早第二戦
▼第2戦 ●
【慶大5―9早大】
今季リーグ戦に初めて登板し、好投を続けてきた中林が序盤から早大打線に捕まる。2点を先制されて迎えた3回、1点を追加され、原に本塁打を打たれ6失点でエース・加藤にマウンドを譲った。
8点を追う6回裏、慶大は斎藤佑の制球が突如乱れたのにつけ込み、宮田、梶本の適時打等で4点を返し、この回で斎藤をマウンドから降ろす。しかし、その後9回2死から3連打で1点を返したものの序盤の大量失点が響き、早大に2季連続39回目の優勝を許した。
相場監督は「3回は1点で抑えられると思い中林を続投させたが(原に3ランを浴び)結果的に交代が遅れてしまった。斎藤はあまり良くなかったのでもっと早く捕らえられると思ったがうまくいかなかった」と悔しがり、宮田主将は「悔しい。応援して下さった方々に申し訳ない」と肩を落としたが、「優勝はなくなってしまったが、明日はしっかりとした試合をして、秋に向けて最初のステップにしたい」と早大の完全優勝阻止に目標を切り替えていた。
慶早第三戦
▼第3戦 ●
【慶大2―7早大】
前日KOされ、「今シーズンずっと先発してきて、このままでは終われないだろうということで昨日のミーティングで選手達と決めた」(相場監督)と2試合連続で中林が先発。中林は初回こそ0点で抑えたものの、2回に2四球、4安打で5点を失いこの回限りで交代、期待に応えることが出来なかった。
序盤の大量失点に加え、好調だった打線も繋がりを欠く。早大先発・松下の前に走者を出しながらも走塁ミスや併殺でチャンスをつぶし8回までわずか1得点。9回、初登板の早大・辻から佐藤翔が本塁打を放ち1点を返したものの、最終的に走者を11人出しながらも本塁打を含む2点と拙攻だった。
慶大は秋へのスタートとなった今季最終戦で投打共に沈黙し、早大に勝ち点、完全優勝を許した。