前の試合で明大との接戦を制した慶大は先月23日、1万9千人を超える観客が見守る中、宿敵・早大との一戦を迎えた。ここ数年、わずかに力及ばず涙をのんできた慶大だが、今年も無念を晴らせず14―21で敗れた。

慶大のキックオフでスタートした前半。両者の攻防が続き、前半20分が経過しても得点が入らない。慶大はトライを狙いに行くも決定打に欠けるプレーが続いた。先制点を奪って流れを作りたい状況で、予期しない出来事が起きる。早大の選手が自陣からのドロップゴールを決め、3点を先取。思わぬプレーに会場ではどよめきが起きた。これを皮切りに1トライとペナルティーゴールを決められ、0―11で前半を終える。

続く後半、FL山本凱(経1)のゲインを起点にPR細田(商4)がトライを決める。慶大が優勢の試合展開に見えたが、一瞬のミスを突かれ失点。さらに1トライを許し点差が14点に開く。後半34分、慶大はモールで押し切り1トライ。SO古田(医4)も角度のあるキックを決め、点差を7点に戻す。慶大の猛攻は続き、トライのチャンスが見えてきた。同点に追いつくためには確実に決めるべき場面だったが、ノックオンで好機を逸する。最後まで粘ったものの、早大に蹴り出されノーサイド。今年も黒星を重ねることとなった。

金澤HCは「早大のプレッシャーが素晴らしかった。負けるべくして負けた」と振り返る。主将の古田も「あれだけアタックして2トライにとどまってしまった」と早大のプレッシャーの強さを語った。

対抗戦最終戦は今月1日に行われ、慶大は98―17で青学大に勝利した。開始3分の細田のトライをはじめ、前後半で14トライを決めた。

今季の対抗戦は早大と帝京大が同時優勝。早大は8年ぶりの優勝を果たした。慶大は明大と並び3位となり、大学選手権出場が決定した。

初戦は今月16日。京都産業大との一戦を大阪・キンチョウスタジアムにて迎える。勝ち進んだ先に待ち受けるのは早大だ。苦しい試合展開が予想される中、対抗戦のミスをどれだけ修正できるかが鍵となる。大学日本一に向けた勝負はこれからだ。

(高井日菜子)

(注)この記事の情報は2018年12月13日現在のものです。