明治神宮野球場で開催された第67回全日本大学野球選手権大会が7月17日、閉幕した。慶大は東京六大学野球連盟代表として出場したが、準決勝で東北福祉大に3―7で敗戦。31年ぶりの全国制覇とはならなかった。
初戦は13日の苫小牧駒澤大戦。三回、先頭の河合(総4)がバントで出塁し、柳町(商3)の中前安打でランナー一、三塁の好機を作る。その後、郡司(環3)の遊ゴロで1点の先制に成功。さらに五回、先頭の瀬戸西(政2)の二塁打を皮切りに、打者14人で10得点を挙げる。その裏、先発・髙橋亮(総3)が3人できっちりと抑え、五回コールドの11―0で大勝した。
翌14日には東日本国際大と対戦。初戦の勢いはそのままに、慶大の猛打は続いた。初回、ランナー一、三塁の好機を作り、郡司が右前に上手く運び先制。内田(総4)の適時打も飛び出し3点を奪う。五回には、嶋田(環2)がレフトスタンドに叩き込み、走者2人を一掃。さらに八回、瀬戸西、河合、渡部(環1)の三連打と柳町への押し出し死球で1点、続く郡司が三遊間を破り2点を追加。敵失もありスコアを10―1とする。
投げては先発の菊地(政4)がピンチを背負いながらも後続を断ち切り、五回被安打2の無失点と好投。六回以降、継投の髙橋佑(環3)、石井(商3)がそれぞれ失点を許したが、10―2で二日連続のコールド勝ちとなった。
続く準決勝では東北福祉大と対戦。三回にエース・髙橋亮が本塁打を打たれ、先制点を許してしまう。
先制されても相手に食らいつく試合展開が今季の慶大の野球だ。その裏、瀬戸西、河合が四球で出塁すると、続く渡部のバントを相手投手が三塁へ悪送球し、打者走者が一気に生還。3点を挙げ逆転に成功する。
しかし直後、相手打線が牙をむく。四回に本塁打で1点を追加され、六回には2死から清水聖に適時打を、吉田に3点本塁打を許し、計6点を献上。3―7と大きく引き離される。
その後、慶大は勢いを失い、チャンスを作るも得点を挙げることはできなかった。決勝進出を逃し、ベスト4で神宮を後にした。
試合後、大久保監督は「悔しい。相手のミスで3点を奪った後、(相手に)流れを渡してはいけなかったが、本塁打でやられてしまった」とコメント。また、今季の慶大野球部について「個の力ではなく総合力で相手を上回った。苦しい展開を選手が粘ってくれたおかげでリーグ優勝を達成できた。選手は本当によくやってくれた」と話し、チームをねぎらった。
(椎名達郎)