第706回三田演説会が先月14日、三田キャンパスの三田演説館で開催された。1963年に法学部政治学科を卒業し、読売新聞東京本社社長などを歴任した滝鼻卓雄氏が登壇。「ジャーナリズムと権力」というテーマで演説した。
はじめに、滝鼻氏がジャーナリストという職を志したきっかけについて語った。卒業後、読売新聞社に入社。転機が訪れたのは、入社1年目の春に起こった最愛の母の死だった。滝鼻氏は母の死を契機に、この道を懸命に歩んでいこうと心に誓ったと述べた。
その後、演説は様々な方面へと話題が及んだ。シンガポールで実現した史上初の米朝首脳会談や、連日話題となった日大アメフト問題、東海道新幹線のぞみ号車内で発生した殺傷事件についてのメディアの報じ方や、S・スピルバーグ監督の最新映画『ペンタゴン・ペーパーズ』と自身の経験との関係などを一記者の視点から語った。
演説の最後に滝鼻氏は、自身が在籍した新聞研究所(現・メディア・コミュニケーション研究所)の創設者で、恩師でもある故・米山桂三慶大名誉教授への謝意を表しつつ、同氏の教えをこれからも実践し続けていきたいと語った。