東京六大学野球春季リーグは来月2、3日、最終カードの早慶戦を迎える。115年にわたって火花を散らしてきた両校。ある時は『若き血』を歌い、またある時は『紺碧の空』を聞きながら神宮球場を後にした。それぞれの選手、観客に特別な思いを残す伝統の一戦だ。
昨年、春季リーグでは優勝まであと1勝と詰め寄りながら、早大打線に優勝をはばまれた。そして奇しくも春と全く同じ優勝条件で臨んだ秋の早慶戦。苦い残像をはねのけ、後半戦6連勝で7季ぶりにリーグ優勝を果たした。
「早稲田に勝つ、リーグ優勝、日本一」。大久保監督をはじめ、選手たちはチーム目標についてこう口を揃える。今季、慶大は優勝が確定した状況で早慶戦に臨む。しかし選手にとって、この檜舞台に立つことは「1年に2度」ではなく「一生もの」の経験だ。選手だけではない。選手の家族、監督、スタッフ、応援団、チアリーダー、野球部OB。誰よりも強い思い入れを持って早慶戦を「戦う」人々に迫った。