9月に開幕した関東大学対抗戦。慶大は5勝2敗、得失点差により3位扱いで大学選手権へと駒を進めた。
その初戦を先月16日、大阪・キンチョウスタジアムで迎えた。対戦相手は立命館大。関西大学Aリーグ開幕後3連敗を喫し窮地に立たされるが、意地の4連勝で2年ぶりに全国に戻ってきたチームである。
試合は終始慶大が圧倒した。前半3分、FL永末(法4)が先制トライ。前半だけでも7トライを決め、立命館大を引き離す。後半も勢いは衰えることなく、101―12で試合を終えた。
初戦を楽々と突破した慶大。次戦の相手は大東文化大である。安定したセットプレーを持ち味とし、今年度は1995年以来22年ぶりに関東大学リーグ戦を制した。慶大は3年ぶりの準決勝進出をかけた勝負の一戦である。
試合は大東文化大のキックオフでスタート。スクラムを強みとする慶大だが、試合序盤から持ち味を活かしきれない。前半12分、慶大の3回にわたるコラプシングにより、大東文化大に認定トライ。さらにシンビンでPR吉田(総4)が一時退場することになった。続く18分、22分と立て続けにトライを決められ、0―21と点差が開く。
このまま相手に主導権を握られ試合が進められるかと思われたが、30分WTB宮本(経3)のトライをきっかけに試合の流れが変わる。32分、FB丹治(政3)とWTB金澤(経4)の華麗なパス回しでトライ。ここで相手の主力選手がシンビンで一時退場となり、慶大にとって大きなチャンスが訪れる。39分にも1トライ。SO古田(医3)も確実にゴールを決め、前半終了時には同点に追いつき、試合は白紙に戻された。
後半はまず慶大が流れを掴んだ。後半5分、HO岡田(経4)がトライを決めリードを奪う。さらに差を広げたい慶大だが、主将の佐藤(総4)が「後半は自陣でアタックしている時にミスが起こったりして、そこでスクラムになり、相手のリズムが生まれるというシーンが多くあった」と話すように、チャンスとなる場面でミスが相次ぎ、試合は徐々に相手に傾いた。
後半19分、26分とトライを決められ、逆転を許してしまう。劣勢のまま時間が過ぎ、ノーサイド。28―33で今季最後の公式戦を終えることになった。
金澤HCは「単純に悔しいというだけ。選手は3トライの差も跳ね返し、精一杯やったと思う」と試合を振り返った。
(高井日菜子)