お菓子を食べると、おいしくて幸せな気分になるが、健康面が少しだけ気になってしまう。それならば、体に優しいお菓子を自分で手作りしてみよう。ヘルシーなお菓子を作るコツについて、慶大文学部を卒業し、2003年度ミス・インターナショナル日本代表を経て、料理研究家として活躍している松見早枝子さんに聞いた。
松見さんによると、グラニュー糖などの白砂糖や、バターなどの乳脂肪が多く含まれているお菓子は体に良いとは言えない。ヘルシーなお菓子を作りたい場合、特に気を付けたいのは、「甘味料、粉、油」の三つだ。
まず甘味料については、白いものよりも茶色いものを選ぶようにしよう。グラニュー糖など精製度の高い白砂糖では、カロリーが高いだけで栄養はない。血糖値を急激に上げるため、肥満や糖尿病につながったり、体を冷やしたりと健康面への影響が出てしまう。栄養価が高くて体にも優しい甘味料は、黒糖、きび砂糖、てんさい糖、はちみつなど。最近ではココナッツシュガーやアガペシロップなど、血糖値の上昇が緩やかになる「低GI」と呼ばれる甘味料も出てきている。もしくは、バナナや甘酒で甘味をつけて、砂糖を減らすことも可能だ。
焼き菓子を作る時の粉については、薄力粉ではなく、全粒粉という小麦の外皮も挽いたものや、玄米粉、おからなどを使うようにしよう。糖質以外に食物繊維やたんぱく質、ミネラルが含まれているため、血糖値が上がりにくく、食べても太りにくいという。
油分に関しては、バターを大量に使わないように気をつけること。バターも少量なら問題ないが、できればココナッツオイルやグレープシードオイルなど、健康に良い植物油を使うのが望ましい。特にココナッツオイルはもともと甘い風味があるので、お菓子との相性がとても良く、砂糖の量も減らすことができる。アボカドをミキサーにかけ、油分として使う方法もあるそうだ。
もしチョコレート味のお菓子を作りたい時は、ココアパウダーを使うと、油分が抑えられてヘルシーに仕上がる。チョコレートは湯せんで溶かす必要があるが、ココアパウダーならそのまま使えるため簡単だ。
ヘルシーなお菓子は、生活のどの部分に取り入れるのが適当なのだろうか。「食事の回数は少なすぎると良くない。一回の食事の量が多くなってしまいがちで、血糖値が急上昇するうえに、内臓に負担をかける。昼食前に小腹が空いた時や3時のおやつとして、栄養価の高いお菓子を食べることがおすすめ」と松見さんは話す。食事の際にご飯を少なめにするなどして調節すれば、カロリーも気にならないだろう。
栄養が摂れるようなお菓子を作って、軽食として取り入れてみてはどうだろうか。松見さんは今回、塾生に向けて二つのヘルシーレシピを紹介してくれた。来月はバレンタインデーもある。誰かにあげるにしても自分が食べるにしても、せっかくなら健康を気遣ったお菓子を作りたいところだ。
(原科有里)
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