関東大学サッカーリーグは全日程が終了した。慶大は1部で最下位の12位となり、来季の2部降格が決定した。
 
最終3節を控えた時点で降格圏の11位に沈む慶大。第20節の明大戦は、残留のために勝ち点を積みたいところだったが、0―1で惜敗した。スタメンの過半数を2年生で固めて挑んだ慶大は、序盤から一進一退の攻防を繰り広げる。しかしプレスの速い明大の守備に苦戦し、シュートまで持ち込めず、前半はスコアレスで折り返す。 
 
後半開始早々、慶大はFKのチャンスを得るとMF佐藤海(政2)のキックからMF岩崎(商3)が頭で合わせるが、キーパーにキャッチされ、惜しくも得点を奪えない。すると54分、慶大が警戒していた相手のCKから、不意を突くプレーで失点を喫する。慶大はその後も果敢にゴールに迫るが、セットプレーなどのチャンスをものにできず試合終了。痛い敗戦となった。
 
第21節は駒大と対戦した。負ければ他会場の結果次第で最終節を待たず降格が決まる可能性があった局面で、慶大イレブンは奮起し、2―1で勝利した。前節の悔しさを噛みしめ、吹っ切れたような戦いを見せた。前半、序盤から積極的に攻勢をかける慶大は17分、FWピーダーセン(経2)がPKを獲得する。これを佐藤海が冷静に決めて先制した。
 
33分には相手選手とGK上田(総2)が1対1で対峙するピンチとなるが、シュートは枠を外れて難を逃れる。すると、41分に慶大はCKを獲得し、佐藤海のキックにピーダーセンが頭で合わせて2点目を奪う。2点リードで迎えた後半は、駒大の反撃に耐える時間帯が多くなる。70分にゴール前の混戦から1点を返されると、さらに猛攻に拍車がかかり、慶大は決死のディフェンスが続く。何とか1点のリードを守り切り、勝点3をつかみ取った。
 
この結果を受けて最終節は、慶大、日体大、専大の3校が一つの残留枠を争う構図となった。
 
運命の最終節は、インカレ出場が決まっている3位の流経大と激突した。勝利するしかない慶大イレブンは奮戦したが、チャンスを掴めないまま前半を0―0で折り返す。後半、慶大は選手交代でさらに攻勢を強め、72分には渡辺夏(総4)を投入。しかし76分、相手のグラウンダーシュートがゴールに突き刺さる。81分に渡辺夏がペナルティーエリア付近の混戦を一人ドリブルで切り込み左足を振り抜き試合を振り出しに戻す。しかし、84分、相手の速攻にDF陣が崩され2点目。87分にはループシュートを決められ3点目を献上。1―3で敗れ、最下位で関東大学サッカー1部リーグの降格が決まった。
 
試合後、須田監督は「すべて僕の責任。選手たちは1年間頑張ってくれた」と語った。シーズンを通して慶大が苦戦を強いられた要因に関しては「守備が安定しなかったことで攻守にわたるコントロールができなかった」ことを挙げた。
 
降格が決まった後のピッチではキャプテンを務めてきたDF手塚(環4)や渡辺夏らが残って立ち尽くす姿が印象的だった。10年ぶりの2部降格となったが、2部での戦いも易しいものではないだろう。次のピッチを見据え、悔しさを胸に慶大ソッカー部の炎は下級生に受け継がれていく。
(杉浦満ちる)