ミス・ワールド2017日本代表選考会が今月4日、ANAインターコンチネンタルホテル東京にて開催され、31名のファイナリストの中から慶大生の山下晴加さん(法4)が日本代表に選ばれた。7000名を超える応募者の頂点に立ち、来月20日から行われる世界大会に出場することが決まった。
当コンテストは1951年にロンドンで第1回大会が行われて以来、毎年開催されている世界で最も歴史のあるミス・コンテストで、今年で67回目を迎える。「beauty with a purpose(目的のある美)」をスローガンとし、美貌だけでなく知性や個性も選考の基準になっている。
山下さんは自身が日本代表に選ばれたことに対し、「自分が選ばれるとは思っていなかったため、本当に驚いています。日本を代表して世界大会に出場できることに嬉しさと責任感が入り混じった気持ちです」と今の心境を語った。今後は、世界大会での上位入賞を目標に活動していくという。
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ミス・ワールド2017日本代表となった山下さんに、インタビューに応じてもらった。
―ミス・ワールド日本代表に選ばれて、周囲の反響はいかがですか。
友人やお世話になった方からたくさんのお祝いのメッセージをもらいました。多くの人に応援してもらえたことがとても嬉しかったです。
―山下さんがミス・ワールドに出場した経緯を教えてください。
大学2年の春に「福澤諭吉記念文明塾」に参加したことがきっかけです。私はそこで女子高生向けのキャリア教育プログラム「Girls’ Future」を展開していました。高校でのヒアリングやキャリア教育に携わっている方にアドバイスをいただいてはいたものの、自身の発信力がないことに悩んでいました。そんな時に先輩からミス・ワールドを紹介してもらったのです。「beauty with a purpose」という理念を持つミス・ワールドは、社会貢献活動を重視しており、発信力をつけていきたいという自分の想いと一致すると考え、参加を決めました。
―審査の過程で大変だったことは何ですか。
これまでの私は本当に普通の大学生で、写真を撮られることにも慣れていなかったため、他の出場者に追いつくのに必死でした。コンテストに出場すること自体が初めてだったため、モデルウォーキングなどの審査は苦労しました。
―コンテストで印象的だったことは何ですか。
これまでミスコンテストというものに対し「女の闘い」というイメージを持っていたのですが、実際に参加してみると他の出場者が本当に優しく、さらに多才な人ばかりだったことに驚きました。これまでの学生生活では出会わなかった人と出会い、自分の世界の狭さに気づかされました。
―慶大での経験がコンテストに生きたことはありますか。
ワシントン大学との交換留学や2度の短期留学、学部ゼミなど勉強中心の生活を送っていましたが、これらの経験が英語ディベート審査や発信力の審査に役立ちました。とりわけゼミでのディベート準備を通じて、論理的に考えるトレーニングをしてきたことは大きかったですね。自分が学生生活で積み上げてきたものが全て生かされた場所だなと思いました。
―今後、日本代表としてどういった活動をしたいですか。
ミス・ワールドの理念をもっと発信したいと考えています。まだまだ外見で判断されることも多い世の中ですが、社会貢献をしているかといった内面的な魅力の大切さを伝えていきたいです。私個人としては経済か政治か、まだ分野は定まっていませんが、社会に直接的に役に立てる人になりたいです。まずは世界大会で上位に入り、東京五輪に向けて日本をアピールするほか、1年の任期の間に全国を周って、困っている人の助けになる活動ができたらいいなと思います。
―4年生の山下さんから塾生の後輩にアドバイスをお願いします。
ミス・ワールドの経験から、リスクを考えず挑戦してみることで新たな道が開けると実感しました。後輩の皆さんもぜひ、直感を信じて気になったことは挑戦してほしいです。
(聞き手=小宮山裕子)