―塾長に選任されたときの心境は。
私自身は塾長選挙のプロセスに一切関与していないため、選任されたときは驚きとともに責任の重さを感じました。
―塾長の仕事とは。
慶應義塾規約によると、塾長は理事長と学長を兼任する役職です。大学評議会議長、連合三田会名誉会長、体育会会長なども務め、国内外の学長会議にも出席しています。
―今後の義塾運営の方針を教えてください。
グローバル化の波の中でも個性を保ち独立自尊の精神を忘れず、伝統を守りつつ進化させたいです。洞察力・想像力・コミュニケーション力・倫理観を持ち、自分の国の歴史や文化を正しく語れる人材を育て、多様な人材・多様な学びを目指します。研究力向上のためのインフラも整えます。個人的にやりたいことは総合博物館の設立です。
―長谷山塾長ご自身はどのような塾生でしたか。
ラルフ・ネーダーに憧れて法律学科に入りましたが法律に興味を持てず、ストライキも起こるので勉強に身が入りませんでした。法律学科卒業後、昔から好きだった歴史の勉強をしようと文学部日本史学専攻に入り直し、ゼミに没頭しました。下宿先の先輩方の紳士的で慶應ボーイらしい姿を尊敬していました。
―忙しい中での息抜きは。
街を散歩しながら史跡を見てまわるのが好きです。カラオケでは加山雄三をよく歌います。
―今の塾生の印象は。
昔に比べて堅実だと思います。また発信力やコミュニケーション力の高い人が増えました。もっと積極的になり、いい意味での野次馬根性を持ってほしいです。
―塾生へのメッセージをお願いします。
孤独を恐れずに一人の時間を大切にしつつ、重層的な人間関係を築いてください。