ウェーランド経済書講述記念講演会が先月15日、三田演説館で開かれた。同講演会は、慶應4年5月15日(1868年7月4日)、上野で官軍と彰義隊の戦闘が行われている戊辰戦争のさなか、福澤諭吉が芝新銭座の慶應義塾において、悠然と土曜日の日課である『ウェーランド経済書』の講義を続けていたのが由来である。
慶應義塾では、世の中にいかなる変化があっても、学問教育を尊重した福澤の精神を長く伝えるために、5月15日を「福澤先生ウェーランド経済書講述記念日」とし、1956年より毎年記念講演を行っている。
今年は、慶大名誉教授・同志社大特別客員教授である阿川尚之氏が講演を行った。講演は、主に福澤が詳細に紹介し、阿川氏の研究テーマでもあるアメリカ憲法とその歴史に焦点を当てて行われた。
阿川氏は福澤のアメリカ憲法の邦語訳に対して「Aマイナスの成績をつける」と冗談交じりで評価したり、現安倍政権に対するブラックユーモアを言ったりするなど、会場は時折笑いに包まれた。