第57回早慶サッカー定期戦(六月二十九日・国立)が開催され、慶大ソッカー部は0―5で早大に完敗を喫した。前半に1失点、後半に4失点の史上最も得失点差の大きい試合となり、対戦成績は慶大の11勝に対し、早大が29勝目を手にした。
昨年一部リーグに昇格した格上の相手となった早大に対し、慶大は前半立ち上がり、安定した守備をみせる。DFの蒲生主将(総4)は、早大の主軸であるMF兵藤を徹底的にマンマーク。9分には左サイドからゴール前まで攻め込む闘志あふれるプレーも生まれた。しかし前半32分、慶大のコーナーキックのこぼれ球から、一気にカウンター攻撃を仕掛けられ、早大に先制点を奪われてしまう。
0―1で折り返した後半、早大の猛攻撃が始まる。56分、松橋のクロスにあわせ兵藤が2点目を蹴りこむと、直後の59分、勢いのある松橋のドリブルを止められず、3点目を許してしまう。一方慶大は、「後半は攻撃のリズムがつかめなかった」と須田監督がコメントするように、相手のゴール前でボールを持っても、肝心のシュートができないでいた。
さらに追い打ちをかけるように、81分、82分と再び続けざまにゴールを決められる。「マンツーマンに対して疲労がたまって、踏ん張れなかった」と蒲生主将が振り返るように、スタミナ不足が大量失点を招き、そのまま試合は0―5で終了。53回目を最後に、勝利から遠ざかっていた慶大は、今年も栄冠をつかめなかった。二年連続MVPに輝いたのは、2得点1アシストの大活躍をみせた早大松橋。
無得点5失点の試合結果、そして早大13本のシュートに対し、慶大はわずか3本という数字をみても、両校の力の差が現れたといえる。しかし、苦戦しているリーグ戦では巻き返しを図るべく、チームはしっかり前を見据えている。
須田監督は、「この試合をバネに、初心に戻っていきたい」と決意を新たにし、FW大河選手(商2)は、「今はどん底なので、もはや上に上がるしかない」と真剣なまなざしで語っていた。
(高橋保笑夢)