「金欠過ぎて観音さまにお祈りしたら、『最初に掴んだものを大切にしろ』と言われました。たまたまそこに塾生新聞があったので掴んでしまったのですが、昔話のように長者になれるでしょうか」

この1件の依頼から、取材班は日吉とSFCに向かって検証をしてみた。

in 日吉  ~最後は思い出の品に~

ある晴れた土曜日、いつもより静かな日吉キャンパスで、検証を始めた。が、簡単に始められるほどコミュ力がなかった。ようやく話しかけた女性から貰ったのは蛍光ペン。思った以上にいいものと交換してくれた上、「がんばって」という彼女の言葉に、取材班は心を打たれた。

これで味をしめてさらに交換を進めていくと、文房具のループが続く。通りすがりの人に交渉すると、まず筆箱を取り出す傾向があるようだ。

そこで今度は塾生会館の部室に行くことに。すると6人目にして傘、7人目と8人目はぬいぐるみをくれた。すさまじいインフレだ。「塾新の部室に置きたい」と局員IY(文2女)が訴えるが、無視。9人目で交換して貰ったお面を手に、最後は塾生会館の地下へ。10人目の交換に応じてくれたのは活動をしていた演劇研究会だ。良いものをと真剣に探してもらった末、自作の小道具である剣をくれた。部員の服部さん(経2)が高校の卒業公演で作ったという。

新聞1部から始まった物々交換は紆余曲折の末思い出の品に姿を変えて終わった。

塾生新聞→蛍光ペン→修正テープ→赤青鉛筆→チョコレート3個→カラーインキ2個→傘→ぬいぐるみ→ぬいぐるみ→お面→小道具の剣

in SFC ~多彩な塾生、持ち物も多彩~

月曜全休を利用して法学部3人組がSFCに潜入した。ここでは日吉の検証で完全にプロになった局員YS(法2男)のコミュ力が炸裂。食堂にいた女性2人組に応じてもらい、ちょっと良いティッシュと交換してスタートした。

しかしこの後、予想の斜め上を行くものが続々と出てくる。道行く人に話しかければポケットからおもむろに出てくる安全ピン、大吉のおみくじ、果ては5人目で部室からボンカレーが出てきた。なぜ持っているのか……。SFC生恐るべし。

取材班は広大なキャンパスを巡りながら検証を続けた。8人目では局員KT(法2女)の希望で男子高校生にもアタック。また局員YK(法2男)に鳥のフンが直撃する間に、物々交換で味噌やアイドルのブロマイドをゲット。なぜ持っているのか。12人目として最後に向かったのは部室管理室。出てきたのは猫の遊び道具。だからなぜ持っ(略)。

のべ12回に渡る物々交換は、まさかの結末で幕を閉じた。

塾生新聞→ポケットティッシュ→安全ピン→大吉のおみくじ→出席カード→ボンカレー→大量の飴→ボールペン→ソイジョイ→S字フック→味噌→アイドルのブロマイド→猫の遊び道具

快く企画に応じてくださった皆さん、ありがとうございました。