2009年度慶大一般入試の医学部医学科募集人員が前年度比6人増の66人となることが、昨年12月26日に義塾公式サイトで発表された。今回の増員は、昨年12月24日付けで文部科学省に認可された学則変更に伴うもの。塾内進学者枠の4人増員と合わせて、来年度の医学部入学定員は今年度比10人増の計110人となる。 (小柳響子)
昨年6月に閣議決定された経済財政改革の基本方針2008に基づき、文科省が各大学の医学部入学定員の増員を受理する旨を各大学に通知。通知を受けて慶大医学部は昨年10月中旬文科省に増員計画を提出し、今回認可された。
学則では、医学部の入学定員が従来の100人から110人に増員されること、および増員10人のうち6人は一般入試による入学者、4人は塾内進学者となることが新たに定められた。塾内進学者枠の内訳は、塾高、志木高、女子高、SFC高から各1人ずつの予定だ。
受験生への告知として、医学部は入試要項に増員予定の旨を記載。要項の販売が始まった11月下旬の段階ではまだ増員が正式に決まっておらず、要項に増員人数は明記されていなかった。
今回の認可を受けて医学部は、設備の増改築を含む教育体制の見直しを、3月末の完了をめどに進めている。
慶大を含め各大学で医学部定員が増員されている背景には、医師不足の問題がある。都市部への医師集中と地方での不足、出産・育児などで早期退職する場合が多い女性医師の割合の増加、および診療科ごとの医師数の偏りが主な要因だ。
慶大医学部の定員変更は、各大学の医学部定員を削減する方針が閣議決定された1982年以降では初めて。