諸田
全塾協議会と聞いて、まず初めに頭に浮かぶ人物のひとりに諸田直也さん(経4)がいる。彼は2013年1月から2015年12月末までの3年間で事務局次長を1期、事務局長を2期務めた。長い任期を終えた今、感じていることを取材した。(山下菜生)


―3年間の任期を終えたが
やっと終わったという思いで、大役の荷が下りてほっとしている。自治会費の交付金分配というルーティンだけでなく、(全塾協議会に)どう付加価値を生んでいくのかということを意識していた。

―全塾協議会の役割をどう考えていたか
ずっと思い続けてきたことは「慶應がより慶應であるために」全塾協議会があるということ。「塾風の宣楊」、つまり慶應ブランドを盛り上げていきたいと常に考えていた。

例えば、自分の卒業後30年経って慶應が落ちぶれていたらそれは悲しいこと。在学中はもちろんのこと、卒業した後も慶應でよかったなと思えるようにしたい。例えば、卒業後ふとした瞬間に「(野球の)優勝パレードに塾生として参加できた。慶應に入学してよかったな」などと思えるように。全塾協議会が直接的にはできないとしても、各所属団体を通して実現させていきたい。

―知名度の向上という課題については
知名度向上は以前からあった課題。今までは交付金分配を主軸として、(全塾協議会は)お目付け役としての役割が大きかった。その役割をきちんと果たしたうえで、どう付加価値を付けていくかが今の課題だと考えている。

塾生にとって身近で、利益をもたらす団体は、塾生がその団体について知る機会が多くなる。そのため、(全塾協議会の)裾野をひろげ、塾生にとってより身近な存在になることを意識して取り組んでいる。

それが、例えば後任の髙井が現在作成中である一般塾生向けパンフレットであったり、各学部ゼミナール委員会の所属団体化であったりする。組織をそのまま押し出していくのではなく、ある意味お高く留まっていた部分をどう塾生が触れやすいように変化させていくかを意識する必要がある。

―苦悩は何だったか
まずは財源が足りないこと。そして各所属団体との距離感だ。協力して「塾風の宣揚」を達成するため仲良くしつつも、分配した交付金の使途で不正などがあってはいけない。塾生の利益のためにも言うべきところはきちんと言うという部分が難しかった。

―今後に託す思いは
政策の中身はともかく、慶應が慶應であるために活動してほしい。効率よく交付金を分配するだけでなく、そのあとどう我々自身の付加価値を付けていけるかを求めてほしいと思う。