大学生ならではの長期休暇。アルバイトやインターンに励む、あるいは家でぼんやり過ごすのもよいが、学生時代の今しかできない有意義な過ごし方をするのはいかがだろうか。
「好奇心のままに自由な旅に出ることができるのは大学生のときだけ」。そう話すのは学生時代に旅に魅了され、現在も旅に関するライターとして活躍する松岡絵里さん。彼女は、旅行作家である夫の吉田友和さんと世界一周新婚旅行も経験している。そんな旅の魅力を熟知する二人に話を聞いた。
小学生時代をアジアの国々で過ごし、海外が身近な存在であった松岡さん。大学時代に海外旅行へ行くようになったのはごく自然なことであった。「自由に自分が見たい、知りたいと思ったことに突っ込んでいく。目的など考えず、ただ自分の好奇心に従って旅を楽しんでもいいと思います」
二人が世界一周旅行を決めたのは冗談のような軽い会話がきっかけであった。吉田さんにとっては、この世界一周旅行が初めての海外旅行となった。当時勤めていた会社を二人で寿退社し、世界一周旅行を敢行することに恐れはなかったのだろうか。「初めてだからこそ大胆に行動できたのだと思います。偏見のないゼロからのスタートを切れたという意味でも良かったですね」と振り返る。
この世界一周旅行を含め、数々の旅行を続けてきた二人。その理由は、自分の知らない世界と出会い、未知の経験ができることにあるという。「実際に海外に出てみると、自分の環境と全く世界が違います。それを現実のロールプレイングゲームのように楽しむ。そこに旅の醍醐味があると思います」。毎回の旅で出会う新しい発見、感動が、二人の更なる旅に出たいという思いの原動力となっている。
最後に、塾生へメッセージを送った。「真面目に将来のことを考えるのもよいですが、気楽に楽しむことも大切だと思います。旅行に限らず、大学生はやりたいことを思いきりできる恵まれた環境にいます。失敗しても言い訳がきき、自由に行動しても怒られることはありません。だから恐れずに自分のやりたいことに素直に挑戦してください」。まだ残されている長い夏期休暇。自分の好奇心のままに旅に出てみるのもいいかもしれない。
(奥山紗帆)