慶大三田キャンパスの近く、慶應義塾綱町グラウンド内に体育会相撲部の道場はある。部員数が6人ということもあってか、相撲部の存在を知る人は多くはないだろう。今回、そんな相撲部の魅力を主将の嶋田翔太さん(政4)に語ってもらった。
嶋田さんは小学校のころから相撲をよく観ていて、好きだったことから自身も相撲を始めた。彼のように相撲を小学生から始めたという人は部員の半数を占める。高校では違うスポーツをしていたが、元々教わっていた周りの人などからの熱心な勧誘もあり、大学から再び相撲を始めたという。
練習は高校生部員3人と合同で行われる。内容は、週4日の稽古と週1日の四股、すり足、股割りなどといった基本動作を含めた基礎トレーニングで、組み合いだけでなく体力作りも行っている。また、稽古では監督やOBが直接指導に当たり、週に1回は元力士を呼ぶといった充実具合だ。大学相撲では各大学が強さに応じてクラス分けされており、慶大相撲部は現在上から数えて2番目のBクラスに所属している。このBクラスに所属する他の大学の相撲部と合同稽古を行うこともある。
相撲部の歴史は数ある体育会の中でも古く、稽古等で使用している道場は4年後に100周年を迎える。過去には大会で優勝した人もいるが、現在プロの選手はいない。他の体育会との連携も深く、レスリング部の試合に人数が足りない時に代打として出ることもあるそうだ。
嶋田さんは「部員の学部や入部動機などバックグラウンドは様々だが、部員はみんな家族のように仲が良い」と相撲部の魅力を話す。大学から始めるという人は少ないが、そういう人でもこの相撲部では仲間とともに良い環境で稽古に励むことができる。相撲という競技の魅力については「体重別の階級がなく、裸で戦うので、男らしく正々堂々とした競技。一つの神事でもあり、格式があって学ぶことも多い」と語ってくれた。
部としての目標は、昨年ベスト8だったインカレBクラスで3位に入ることだ。そのためにも各試合に向けて目標を掲げて日々練習している。嶋田さんは作戦について「大きい選手に対しては、正面から勝負に行くとどうしても力負けしてしまうが、動きが鈍いので素早く横に回り込む。団体戦なので、いかに相手のオーダーを読み選手自身の最高のパフォーマンスを出せるかも勝負となる」と話し、勝利に向けて意気込んだ。
学生には比較的なじみの薄い相撲であるが、部員達は日々熱心に稽古に勤しんでいる。100周年記念イベントも行われるというので、ぜひ一度道場に足を運んでみてはいかがだろうか。
(八木理志)